一般的にスチールやステンレスと呼ばれている金属には様々な種類が存在し、硬度の点だけでもクロモリ鋼より硬度が高いステンレスが存在すれば、逆に硬度が低いステンレスも存在します。
含有する物質が異なると金属の特性が異なり、たった0.1%だけ炭素の含有量が異なるだけで硬度やひっぱりの強さ、価格などが大きく異なります。
そのため、一概に「ステンレスの方が軟弱」とは言えません。
例えば、サイトなどの細かいパーツには1020スチールを使用し、ボルトや銃身には4140スチールを使用します。
しかし、より耐久性が必要となるミルスペックの銃身には4150スチールを使用されますが、4150スチールは高価でありスポーツ用としては不要なため通常の使用では4140スチールや41V45スチールで必要十分と言えます。
ライフルに限った場合、銃身の素材としては17-4PHといったステンレスバレルはクロモリ鋼よりエロージョン(焼損)に対する耐久性が高いため、ステンレスが好まれています。
どちらも劣化の経過が異なり、クロモリバレルでは徐々に劣化するため集弾率も徐々に悪くなるのに対し、ステンレスバレルではエロージョンによるひび割れが大きくなる一方、ひび割れていない部分の表面が良い状態を保つため集弾率を維持し、ある点を超えると急激に悪化するといった特性があります。
しかし、いずれにしてもクロモリ鋼とステンレス鋼の違いでは腐食耐性と価格が大きく異なるため、銃身以外のパーツに関してはこの点が判断材料となります。