黒色火薬は硝石、硫黄、木炭の混合物です。
一方、無煙火薬はセルロースを硝酸と硫酸で処理し製造されたニトロセルロースが主成分として使用されています。
ニトロセルロースは激しく燃焼し高温高圧のガスを大量に発生させる性質があり、無煙火薬は黒色火薬の約3倍のパワーを得られます。
そのため弾薬と銃のコンパクト化、または弾速向上による射程距離の延長といった効果が得られます。
1845年にドイツの化学者クリスチアン・シェーンバインが実験中、テーブルにこぼした硝酸と硫酸をエプロンで拭き取りストーブの上で乾かしたところ、激しく燃え上がったことでニトロセルロースが偶然発見されました。
当初無煙火薬は爆薬として製造され、銃の装薬としては高温高圧のガスにより銃の製品寿命が極端に短くなるなど問題が多く、大砲に使用可能でも銃には使用不可能だと考えられていました。
しかし時代と共にヨーロッパ各国で改良が続けられ、無煙火薬の安定化が可能になったことで高温や高圧をコントロールし銃に使用可能な装薬として完成しています。
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