銃身の焼き入れは高周波焼き入れですか?
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様々な焼入れ方法や窒化処理があり特に決まっているわけではありませんが、現代の銃身の熱処理には塩浴熱処理(ソルトバス焼入れ)が多く利用されています。
古くからは炎焼入れが利用され、1940年代からシアン化物によるソルト焼入れに変わりましたが、1980年代からは環境により良いシアン酸塩と炭酸塩の混合塩を利用した塩浴軟窒化処理「タフトライド」や、「メロナイト」などが利用されています。
銃に使用されるスチールの種類は、1020、1520、4140、4150、41V45、8620などがあり、ステンレスでは316、17-4、アルミでは、6061、7057、7075などがありますが、それぞれ焼入れの温度や処理方法が異なります。
またAR15などミルスペックの銃身では7057にT6処理(溶体化処理後に人工時効化処理)を施した7057T6が使用されています。
一般的に銃はレシーバーやボルトに硬度の高い硬化処理が施されますが、銃身は高硬度よりも粘りが必要なため、他のパーツと比較すると高硬度となる熱処理を必要としません。
しかし銃身によっても硬度が異なり、通常の銃身硬度はロックウェル硬さで25~32ですが、メロナイトの銃身ではロックウェル硬さ68~72となっています。
以下スタームルガー社による熱処理の様子