素早く動くターゲットに対しては発射速度が速い方が命中させやすくなります。
しかし、速い発射速度は銃身が過熱しやすくなりクックオフや作動停止などオーバーヒートによる問題を生じさせ、また弾薬消費が激しいため継戦能力が低下します。
現代の戦闘機ではターゲットを捉えられる時間が短いため発射速度の速いバルカン砲を搭載し瞬間的に大量の弾を浴びせることで命中率を向上させますが、5秒程度で弾切れになります。
この違いは小火器でも同様です。
第一次世界大戦では発射速度を低く抑えると同時に水冷式によって銃身のオーバーヒートを防いでいましたが、後に軽量な空冷式で銃身交換可能な汎用マシンガンが採用されたことでオーバーヒートの問題は軽減され、機動性も向上しました。
例としてMG34やMG42は速い発射速度により被弾率が高く、銃身を交換しながら長時間発射可能なため恐れられました。
また5.56x45mm弾といったインターミディエートカートリッジと7.62x51mm弾といったフルサイズカートリッジを比較した場合、小口径の方が軽量コンパクトなため携行可能弾数が多く速い発射速度により弾薬を消費しても余裕がありますが、携行可能弾数の少ない大口径弾で速い発射速度を利用した場合は短時間で弾切れとなり継戦能力が低下します。
いずれにしてもマシンガンにおける発射速度の違いは命中率(火力)と弾薬消費量のバランスが重要になります。
車両に搭載したり拠点据え置きの場合は携行弾数の問題は重要ではないため速い発射速度に利点がありますが、分隊支援火器として携行する場合は弾薬消費量が大きな問題となります。