現代の多くのピストルは、ハンマーがレスト状態にあるときでもファイアリングピンがプライマーに接触しない短いファイアリングピンが利用されています。
これはハンマーがファイアリングピンを叩くと慣性によってファイアリングピンが前進し、プライマーを叩いて撃発します。
(ビリヤードで1番目の玉を突いて2番目の玉に当てるようなイメージです)
このタイプのファイアリングピンは「イナーシャ・ファイアリングピン」と呼ばれています。
また一方で、トカレフTT33やスターピストルの様に、ハンマーがレスト状態にあるとき、ファイアリングピンがブリーチブロックフェイスやボルトフェイスから1mmほど突き出てプライマーに接触するものもあります。
このタイプは古い銃に多いですが、こうした銃はハンマーをレスト状態にして携帯するのは危険なため、ハンマーをハーフコックかフルコック(コックアンドロック)して携帯するか、或いは薬室に弾を装填しないで携帯することが推奨されます。
このタイプのピストルでも軍用ピストルで軍用弾を使用する場合は硬いプライマーを利用していることが多く、強い打撃を与えなければ撃発しないものが多いのですが、いずれにしても薬室に装填した状態でハンマーをレスト状態にするのは望ましくありません。