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【実銃Glock】グロックピストル全モデルとスペックを一覧で紹介

グロックピストルの画像

「グロックって種類が多すぎて、どれを選べばいいのか分からない…」という声をよく耳にします。

確かに、グロックはモデルが豊富で、それぞれに異なる特徴や用途があります。

この記事では、グロックの全モデルのスペック、各モデルの特徴、そして世代ごとの進化を徹底解説します。

さらに、民間市場での流通状況やパーツの互換性についても詳しくご紹介します。

グロックピストルのスペック一覧

  • 表は項目をクリックすると並べ替え可能です。
  • 装弾数はマガジン装弾数であり、銃に付属するスタンダードなマガジンです。
  • 重量は弾が装填されていない状態(アンロード状態)の重量です。
  • Cモデル、FSモデル、Mモデル、Tモデルなどのバリエーションは割愛しています。
モデルサイズ口径装弾数銃身長
(mm)
全長
(mm)
全高
(mm)
全幅
(mm)
重量
(g)
G17STD9x19mm1711420213830710
G17LLS9x19mm1715324713830670
G18STD9x19mm3311420213830620
G19C9x19mm1510218512730670
G20STD10mm1511720413932.5870
G21STD.45ACP1311720413932.5830
G22STD.40S&W1511420213830725
G23C.40S&W1310218512730670
G24LS.40S&W1515322513830757
G25C.380ACP1510218712730640
G26SC9x19mm108716310630615
G27SC.40S&W98716310630620
G28SC.380ACP108716510630585
G29SC10mm109617511332.5760
G30SC.45ACP109617512232.5745
G31STD.357SIG1511420213830740
G32C.357SIG1310218512730680
G33SC.357SIG98716310630620
G34COMP9x19mm1713522213830735
G35COMP.40S&W1513522213830780
G36SC.45ACP69617712128635
G37STD.45GAP1011420214030820
G38C.45GAP810218712730760
G39SC.45GAP68716510630685
G40LS10mm1515324113932.5798
G41COMP.45ACP1313522613932.5765
G42SC.380ACP682.515110524390
G43SC9x19mm68615910826509
G44C.22LR1010218512832415
G45C9x19mm1710218913934694
G46C9x19mm159719013932607
G47STD9x19mm1711420213934735
G48C9x19mm1010618512828524
G49STD9x19mm1511420212833635
  • C = コンパクト
  • COMP = コンペティション
  • SC = サブコンパクト
  • STD = スタンダード
  • LS = ロングスライド

各モデルの特徴

通常モデル

グロックピストルの画像
  • G17: グロックの初代モデルで、9mmパラベラム弾を使用。シンプルな設計で信頼性が高く、多くの軍や警察で採用。
  • G18: G17のフルオートバージョン。セレクターレバーでフルオート射撃が可能。軍・警察向け。
  • G19: コンパクトサイズの9mmモデル。G17より小型で携帯性が高く、警察や護身用途で人気。
  • G20: 10mmオート弾を使用。強力なパワーを持ち、ハンティング用途にも対応。
  • G21: .45ACP弾仕様のフルサイズモデル。低反動で操作しやすく、威力重視のユーザーに好まれる。
  • G22: .40S&W弾を使用。9mmと.45ACPの中間的な性能で、特に警察で人気が高い。
  • G23: コンパクトな.40S&Wモデル。G22を小型化し、携帯性を高めた設計。
  • G24: ロングスライド版の.40S&Wモデル。ターゲットシューティングや精密射撃に適している。
  • G25: .380ACP(9mmショート)モデル。小型軽量でリコイルが少なく、携帯性を重視。
  • G26: サブコンパクトサイズの9mmモデル。携帯しやすく、隠匿携行に最適。
  • G27: .40S&Wのサブコンパクトモデル。G26の.40口径版で、威力と携帯性のバランスが良い。
  • G28: .380ACP弾のサブコンパクトモデル。軽量で小型、リコイルが少なく取り扱いやすい。
  • G29: コンパクトな10mmモデル。ハイパワーながら携帯性が高く、アウトドアや自衛向け。
  • G30: .45ACPのコンパクトモデル。フルパワーの.45ACP弾を小型で発射できる。
  • G31: .357SIG弾仕様。高速度で威力が高く、特に護身用に向いている。
  • G32: コンパクトな.357SIGモデル。G31の携帯しやすいバージョン。
  • G33: サブコンパクトな.357SIGモデル。携帯性が非常に高く、護身用に適している。
  • G34: ロングスライドの9mmモデル。ターゲットシューティングや競技向けに設計され、高精度。
  • G35: ロングスライドの.40S&Wモデル。精密射撃や競技用として人気。
  • G36: シングルスタックマガジンの.45ACPモデル。薄型で携帯性に優れる。
  • G37: .45GAP(グロック独自弾薬)を使用。大口径弾の威力と、9mmに近いフレームサイズが特徴。
  • G38: コンパクトな.45GAPモデル。G37より小型で携帯性が高い。
  • G39: サブコンパクトな.45GAPモデル。大口径弾をより小型の銃に収めたモデル。
  • G40: ロングスライドの10mmモデル。ハンティングやアウトドア用に高威力を持つ。
  • G41: ロングスライドの.45ACPモデル。高精度で、競技やハンティングにも対応。
  • G42: ウルトラコンパクトな.380ACPモデル。非常に小型軽量で、携帯性を重視。
  • G43: 9mmシングルスタックモデル。薄型で携帯しやすく、隠匿携行に最適。
  • G44: .22LR仕様。トレーニングや初心者向けにリコイルが少なく、扱いやすい。
  • G45: 9mmコンパクトスライド+フルサイズフレームのハイブリッドモデル。使い勝手とバランスの良さで人気。
  • G46: グロック初のロータリーバレル。ドイツ警察向けに設計され、メンテナンス性が向上。
  • G47: G17に似た9mmモデルだが、交換性や操作性に優れ、LE(法執行機関)向け。
  • G48: スリムな9mmモデル。携帯性を高めるために薄型フレームを採用。
  • G49: G19のフレームとG17のスライドとバレルを組み合わせたモデル。

派生モデル

以下は派生モデル一覧です。

  • C(Compensated / コンペンセイテッドモデル、C刻印):銃身とスライドにポートが設けられ、マズルジャンプと反動を軽減するモデルです。代表例はG17C、G19C、G20C、G21C、G22C、G23C、G31Cです。
  • FGR(Finger Groove Rail):G36 FGR Gen 3(現在は生産終了)に使われる名称です。グリップに指かけ(フィンガーグルーブ)と、ライトやレーザー用のアクセサリーレールが標準装備されています。
  • L(Long Slide):G17Lはロングスライド仕様の9mmモデルで、初期型は銃身ポートとスライドカットを装備していました(後期はポートなし)。G49はG47のスライドをG19フレームに組み合わせたクロスオーバーモデルです。
  • MB(magazinboden):「MB」はドイツ語の「magazinboden(マガジンボーデン、直訳するとマガジンフロア)」を意味しています。両利き対応のアンビマガジンキャッチを装備したモデルを指し、MB表記のあるGlockは第3世代(Gen3)のモデルで、グリップの左右どちらからでもマガジンリリースを操作できる仕様となっています。この仕様は第4世代(Gen4)で廃止され、代わりに左右入れ替え可能なリバーシブル・マガジンキャッチへと変更されました。
  • M(Modified / 改修):法執行機関や軍向けに、フレームや内部パーツに改良が施されたモデルです。G17MはFBI向けに開発されたモデルで、後のGen5のベースとなりました。
  • MOS(Modular Optic System):スライドに光学照準器(ドットサイト)を装着するためのマウントが施されたモデルです。付属のプレートを使って様々な規格のドットサイトに対応します。
  • P(Practice):G17Pは赤色の操作訓練用「プラクティス」ピストルで、発射機能はありません。
  • P80:P80は初代Gen1を復刻した記念モデルです。
  • SF(Short Frame):「ショートフレーム」の略で、手の小さいユーザーでも握りやすいようにグリップの奥行き(前後幅)を短くしたモデルです。
  • Select Fire(セレクトファイア):G18はセミオート射撃とフルオート射撃の切り替えが可能なモデルで、ポート付きのG18Cも存在します。
  • Slimline(スリムライン):コンシールドキャリー(隠匿携行)を重視してフレームとスライドの幅を短く設計したピストルシリーズです。世代(Gen)は付与されていませんが、仕様はGen4~Gen5相当です。
  • Slimline MOS:マイクロコンパクトモデルに光学照準器の搭載を可能にした「スリムライン」シリーズです。一部の小型ドットサイト(例:RMSC規格)はアダプタープレートなしで直接取り付けられますが、その他の規格にはプレートが必要です。
  • T(Training):G17Tは訓練用(トレーニング)ピストルで、FX/FOFやUTXなどの非致死性訓練弾専用に設計されています。青色の軽量スライドが備わっており、Glock 17と同じ操作感で安全に射撃訓練が可能です。
  • X(クロスオーバー):フルサイズフレーム(例: G17)とコンパクトスライド(例: G19)を組み合わせたモデルです。装弾数の多さと携行性を両立しています。
派生モデル該当モデル
CG17C、G19C、G20C、G21C、G22C、G23C、G31C、G18C
FGRG36 FGR
LG17L、G17L MOS
MBG17MB、G19MB、G26MB、G34MB、G35MB
MG17M
MOSG17 MOS、G17L MOS、G19 MOS、G22 MOS、G26 MOS、G34 MOS、G35 MOS、G40 MOS、G41 MOS、G43X MOS、G45 MOS、G47 MOS、G48 MOS
PG17P
P80P80
SFG21SF、G29SF、G30SF
Select FireG18、G18C
SlimlineG42、G43、G43X、G48
Slimline MOSG43X MOS、G48 MOS
TG17T
XG19X、G43X、G43X MOS
  • RMSC規格は、コンパクトやサブコンパクトピストル向けに設計された小型リフレックスサイト用の取り付け標準規格です。
  • Shield RMSc(Reflex Mini Sight Compact)は、Shield Arms社が製造する小型リフレックスサイトで、小型ハンドガンに装着して使用することを想定しています。
  • RMSC規格に準拠していることで、他の小型マイクロドットサイトも簡単に装着可能です。

各ジェネレーション(世代)の違い

画像出典:glock.pro

グロックの各ジェネレーション(Gen1〜Gen5)の主な違いは次のとおりです。

Gen1(第1世代)1982年

  • シンプルなデザイン: シンプルで、他のピストルに比べてコンパクトなデザインが特徴。
  • グリップ: 平滑なグリップ(滑りやすい)で、後の世代と比較すると握りにくさがあった。
  • デュポン製グリップ: 採用されたポリマーフレームは新しい技術でした。

Gen2(第2世代)1988年

  • グリップテクスチャの改善: フロントおよびバックストラップにチェッカリング追加。
  • 新規リコイルスプリング導入: 新型のリコイルスプリングアセンブリ追加(1991年)。
  • マガジンキャッチの変更: 大きめのマガジンキャッチが追加され、操作性が向上。
  • スライド形状の改善: より洗練されたスライドデザインに変更。
  • 新モデル追加: G19、G23など、コンパクト・サブコンパクトモデルが追加。

少数のGen2モデルにGen3に含まれる改良点が追加され、ファンの間で非公式に「Gen2.5」と呼ばれるレアなバージョンが存在します。Gen2.5はフィンガーグルーブを追加し、アクセサリーレールを廃止しています。また、Gen3ではRTF2採用モデルが非公式にGen3.5と呼ばれることがあります。

Gen3(第3世代)1998年

  • ピストルの外装改善: ピストルの全体的なフィット感と操作性を改善するために、スライドとフレームが改良。
  • ピカティニーレールの追加: フレームにピカティニーレール(アクセサリーマウント用)が追加され、ライトやレーザーサイトを搭載しやすくなった。
  • フレームデザイン変更: フィンガーグルーブやサムレストを追加。一部モデルに表面にざらつきのあるRTF2(Rough Textured Frame 2)を採用。
  • トリガー改良: トリガーが改善され、よりスムーズな引き心地に。
  • 新しい口径の追加: (.357 SIG、.45 GAP)
  • 新モデル: G26、G27、G34など。

Gen4(第4世代)2010年

  • 改良されたグリップ: ラフテクスチャードフレーム(RTF)グリップテクスチャにより握りやすさが向上。バックストラップが調整可能になり、ユーザーが自分に合ったフィット感を選べる。
  • リコイルスプリングの変更: デュアルリコイルスプリングアセンブリにより、反動が改善され、より安定した射撃が可能に。
  • 新しいマガジンキャッチ: マガジンキャッチが両面に対応し、左右利きに関係なく操作可能に。
  • スライドの改良: スライドのデザインが少し変わり、より耐久性が増した。
  • 新モデル: G17 Gen4、G19 Gen4、G22 Gen4など。

Gen5(第5世代)2017年

  • アンビ(両用)操作: マガジンキャッチやスライドリリースレバーが両面対応で、左右利きに関係なく操作可能に。
  • フレームの改善: フレームのデザインがさらに洗練され、スリム化された。フィンガーグルーブ(指掛け)廃止。ロッキングブロックピン廃止。フレア付きマグウェル追加。
  • 新規バレル: グロック・マークスマン・バレル(GMB)が採用され、精度が向上。
  • トリガー: 新しいトリガー機構により、トリガーの動作がより滑らかで、反応が速くなった。
  • リコイルスプリング: リコイルスプリングがさらに強化され、ショット後の安定性が向上。
  • マガジン: マガジンの底部にスリムなデザインが採用され、収納性が改善。
  • 表面処理: スライドにnDLC(ナノ結晶ダイヤモンドライクカーボン)採用により強固な表面処理が施された。
  • フロントセレーション: 一部モデルにフロントセレーション追加。
  • 新モデル: G17 Gen5、G19 Gen5、G43X、G48など。

主な変更点:

  1. Gen1 → Gen2: グリップテクスチャの改良、マガジンキャッチの変更、スライドの洗練。
  2. Gen2 → Gen3: ピカティニーレール、バックストラップ、トリガーの改善。
  3. Gen3 → Gen4: 握りやすさの向上、リコイルスプリングの改良、左右利き対応のマガジンキャッチ。
  4. Gen4 → Gen5: アンビ操作、精度向上のためのバレル改良、スリム化されたフレーム、マッチグレードバレル。

各世代と発売時期

画像出典:glock.pro

各モデルと世代(ジェネレーション)の発売時期一覧です。

モデルによっては先に法執行機関向けとしてリリースされ、後に民間市場へ遅れて発売されることがあります。

そのため、モデルナンバーの順番が発売年と前後する場合があります。

発売年世代主なモデル
1982Gen 1G17
1988Gen 2
(1988-1997)
G17, G19
1990G20, G21, G22, G23
1994G26, G27
1997G34
1998Gen 3
(1998-2009)
G17, G19, G22, G23, G26, G27
2002G34, G35
2003G21, G30, G36
2005G37, G38, G39
2006G20, G29
2007G31, G32, G33
2008G21SF
2009G41
2010Gen 4
(2010-2016)
G17, G19, G22, G23, G26, G27
2011G34, G35
2013G20
2014G41
2017Gen 5
(2017-現在)
G17, G19, G26, G34, G45
2018G19X (クロスオーバー)
2019G43X, G48 (スリムライン)
2020G47
2023Gen 5G49

グロックXシリーズ(クロスオーバーモデル)

グロックの「Xシリーズ」は、既存のグロック各モデルの特長を組み合わせたクロスオーバー型のピストル群を指します。

コンシールドキャリーや特殊用途を意識して設計されているのが特徴です。

グロック19X

グロック19X画像
グロック19X 画像出典:Rhk111, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

グロック19Xは、フルサイズフレーム(グロック17)とコンパクトスライド(グロック19)を融合させたクロスオーバーピストルです。

装弾数の多さと射撃安定性を兼ね備えつつ、携行性も確保しています。

  • 主な特徴
    • コヨーテカラーのフレームとスライド(グロック初のカラー仕上げ)
    • 腐食に強いnPVDスライドコーティング
    • 精度を高めた「グロック・マークスマン・バレル(GMB)」
    • フィンガーグルーブ廃止、アンビスライドストップレバー、ランヤードループを搭載
    • 付属マガジン:17発×1本、19発(17+2)×2本、専用コヨーテカラーケース

「グロック19X」と「グロック45 Gen5(民間向け19X)」は外見が似ていますが、以下の違いがあります。

項目グロック19Xグロック45 Gen5
カラーコヨーテタン(専用色)標準ブラック仕上げ
フロントセレーションなしあり
マグウェル標準タイプ(Gen4スタイル)フレア付きマグウェル
マガジン互換性Gen4/19X専用マガジンのみ対応全てのGen5マガジンと互換性あり
ランヤードループありなし
フィニッシュnPVDコーティングnDLC仕上げ(Gen5標準)
開発経緯米陸軍MHSトライアル向けに設計法執行機関と民間向けにGen5改良として設計
その他特徴マリンスプリングカップ付属Gen5特有の内部改良を実装

マリンスプリングカップは、ファイアリングピン(撃針)スプリングカップの改良版で、水没後の撃発の信頼性を高めるために設計されており、米海軍特殊部隊でも採用されています。

  • カップ内部に水抜き用の溝があり、撃針やスプリングに水が溜まらない構造。
  • 水中や濡れた状態でも、撃針が固着せずスムーズに動作。
  • 水没後に特別な手入れや水抜き作業をせずとも、すぐに作動可能。
  • 水中射撃用ではないため、水中での発射は危険。
  • 主に軍・警察向けで、公式ルートでの提供が基本。
  • 耐久性や信頼性の面で純正品推奨。

グロック43X

グロック43X画像
グロック43X 画像出典:us.glock.com

グロック43Xは、サブコンパクトのグロック43をベースに、グロック48のグリップを融合させたスリムライン・クロスオーバーモデルです。

小型ながら装弾数を向上させ、コンシールドキャリー性と射撃性を両立しています。

  • 主な特徴
    • スリムで握りやすいグリップ(10+1発のマガジン容量)
    • ビーバーテール一体型フレーム、リバーシブルマガジンキャッチ、フロントセレーション
    • 精度重視の「グロック・マークスマン・バレル(GMB)」
    • 第5世代とスリムラインの設計要素を融合し操作性を改善

MOSとは?

GLOCK19MOS画像
Glock 19 gen5 MOS 画像出典:us.glock.com

グロックのMOSとは「Modular Optic System(モジュラー・オプティック・システム)」の略称で、ドットサイトなどの光学照準器を簡単に装着できる仕様です。

  • 主な特徴
    • 工場出荷時にスライド上部が加工されており、ガンスミス加工は不要
    • 複数のアダプタープレートが付属し、TrijiconやHolosunなど主要ブランドに対応
    • アイアンサイトも併用でき、光学サイトが不調の際はバックアップとして使用可能
    • MOSには「標準MOS(プレート方式)」と「スリムラインMOS(小型光学サイト専用カット方式)」の2種類がある
    • ドットサイトにより素早い照準取得と精度向上が可能
MOSモデル口径付属アダプタープレート
G17 Gen4 MOS9mmPlate 01(Eotech / Docter)
Plate 02(Trijicon RMR)
Plate 03(C-MORE)
Plate 04(Leupold)
G17 Gen5 MOS9mm同上
G19 Gen5 MOS9mm同上
G19X MOS9mm同上
G34 Gen4/Gen5 MOS9mm(競技用)同上
G45 MOS9mm同上
G21 Gen5 MOS.45 ACP同上
G41 Gen4 MOS.45 ACP(競技用)同上
G20 Gen5 MOS10mm同上
G40 Gen4 MOS10mm同上
G43X Slimline MOS9mm(スリムライン)スリムラインMOS専用
(アダプタープレートなし)
G48 Slimline MOS9mm(スリムライン)スリムラインMOS専用
(アダプタープレートなし)

アメリカの民間市場で販売されていないモデル

アメリカの民間市場で販売されていないグロックのモデル一覧です。

モデル口径特徴
G25.380ACP
(9mmショート)
小型かつリコイルが少なく扱いやすいが、輸入規制ポイント不足によりアメリカでの一般販売不可
G28.380ACP
(9mmショート)
G26に似たデザインのサブコンパクトモデル。G25同様、輸入規制ポイント不足により一般販売不可
G469x19mmドイツ警察向けに設計されたモデルで、初のロータリーバレルシステムを採用。アメリカでの民間販売不可

※アメリカ国内の販売は制限されていますが、法執行機関には提供されることがあります。

※フルオートモデルのG18は、フルオート火器の所有が可能な州において所定の手続きを経ることで所有可能です。

民間市場で生産終了したモデル一覧

以下のモデルは民間市場向けの生産が終了しています。

ただし、サポートは継続され、部品供給や修理対応は従来どおり行われます。

※Gen1~2は全て生産終了しています(Gen3は一部で限定生産中)。

  • G17:Gen4
  • G17 MOS:Gen4 / Gen5
  • G17L:Classic / Gen3
  • G17L MOS:Gen5
  • G19:Gen4
  • G19 MOS:Gen4
  • G20:Gen3 / Gen4
  • G21:Gen3 / Gen4
  • G21SF:–
  • G22:Gen3 / Gen4 / Gen5
  • G22 MOS:Gen5
  • G23:Gen4
  • G24:–
  • G26:Gen4
  • G27:Gen3 / Gen4 / Gen5
  • G29:Gen3 / Gen4 / Gen5
  • G29SF:–
  • G30:Gen3 / Gen4 / Gen5
  • G31:Gen3 / Gen4
  • G32:Gen3 / Gen4
  • G33:Gen3 / Gen4
  • G34:Gen3 / Gen4
  • G34 MOS:Gen4 / Gen5
  • G35:Gen3 / Gen4
  • G35 MOS:Gen4
  • G36:–
  • G36 FGR:–
  • G37:Gen3 / Gen4
  • G38:–
  • G39:–
  • G40 MOS:Gen4
  • G41:Gen4
  • G41 MOS:Gen4
  • G49:–

生産終了により、市場で最も需要が高く、実用性のあるモデルにリソースを集中させる狙いがあります。

ユーザーにとっては、人気の主力モデルは引き続き入手可能であり、ラインナップがより分かりやすく、選びやすい形に整理されています。

サポートについては、これまでと同様に生産終了モデルに対しても修理・部品供給を継続しており、既存ユーザーが不利益を被ることはないとしています。

また、法執行機関に対しても引き続き対応が行われ、必要に応じて各地区の担当マネージャーが調整を行います。

クローン製品

2000年代初頭から、グロックピストルのサードパーティ製フレームやスライドが登場し始めました。

特許の期限切れに伴い、完全なグロッククローンが製造可能になっており、多数の企業がグロックのクローンを製造しています。

  • 中国:
    • ノリンコがグロック17のクローンであるNP-7(またはNP7)を製造。
    • 湖南兵器軽兵器研究所を通じて湖南兵器工業集団に下請けされています。
    • 第4世代のグロック17の影響を受けているようです。
    • NP7は輸出販売向けに販売されています。
  • イラン:
    • DIOのシャヒド・カヴェーがRa’ad(セレクター付き、グロック17の無許可コピーの可能性)、グロック19、Kaveh-17(おそらく改良型Ra’ad、グロック17Sのバリアント)を製造。
    • これらはすべてグロックピストルの無許可クローンです。
    • イラン軍に採用されています。
  • ミャンマー:
    • タトマドー(ミャンマー軍)がMA5 MK IIと呼ばれるグロック17のクローンを採用。
    • 2018年に最初に報告されました。
    • ミャンマーの特殊部隊向けに製造および採用されています。
    • このピストルは丸みを帯びたトリガーガードと、グリップにタトマドーのエンブレムが付いています。
  • パキスタン:
    • パキスタンのカイバル地方で無許可のグロッククローンが製造されています。
    • 2018年に最初に報告されました。
  • 台湾:
    • 台湾の第205兵器廠がT97ピストルと呼ばれるグロック19のコピーを製造。
    • 台湾製のグロックは、台湾警察が使用するスミス&ウェッソンモデル5906に交代するために作られましたが、最終的には採用されませんでした。
  • トルコ:
    • Akdal ArmsがGhost TR01と呼ばれるピストルを製造。
    • 設計はグロックピストルに大きく影響を受けています。
  • ベトナム:
    • 2024年12月のベトナム防衛博覧会で、Z111工場がSN19(グロック17 Gen 5)、SN19-T(スチールフレームバージョン)、および7.62×25トカレフ弾を使用するSN7VN-M24として知られる一連のグロッククローンピストルを発表しました。

パーツ互換性一覧

グロックピストル画像

互換性はモデルや世代(Gen)によって異なるため、実際に交換する際は必ず個別に確認が必要です。

  • スライド
    • G17とG34:スライドおよびバレルに互換性あり(9mm口径、フルサイズフレーム)
    • G19とG45:スライド互換あり(いずれも9mm、コンパクトフレーム規格)
    • G22とG35:.40S&W口径でスライド互換あり
    • G26とG27:フレームサイズは共通だが、口径が異なるためスライド単体では互換不可。口径変換バレルとマガジンを併用すれば使用可能
  • バレル
    • G17とG34、G19とG45:9mm口径で互換性あり
    • G22とG35:.40S&Wで互換性あり
    • G23とG32:フレームサイズが同じで、バレル交換により.40S&W ⇔ .357SIGの互換性あり
  • マガジン
    • G17、G19、G26:9mmマガジンに互換性あり(フルサイズマガジンをコンパクトやサブコンパクトで使用可能)
    • G22、G23、G27:.40S&Wマガジンに互換性あり(同様に上位サイズのマガジンを下位モデルで使用可能)
    • G20とG29:10mmオートマガジンに互換性あり(G20のフルサイズマガジンをG29で使用可能)
  • トリガー機構
    • Gen3からGen5の同じフレームサイズ間で一部互換性あり
    • G17、G19、G26、G34(いずれも9mm):トリガーメカニズムに互換性あり
  • フレーム
    • G17とG34、G22とG35:同じフルサイズフレームで互換性あり
    • G19とG45、G23とG32:コンパクトサイズフレームで互換性あり
  • リコイルスプリング
    • G17とG34(9mm):フルサイズ同士で互換性あり
    • G19とG45(9mm):コンパクト同士で互換性あり
  • バックストラップ
    • Gen4およびGen5モデル間で互換性が高い
    • フルサイズとコンパクトサイズ間で一部互換性あり
  • サイト
    • 同一フレームサイズ内で交換可能
    • 9mm、.40S&W、.357SIGの一部モデルで互換性あり(スライド長に依存)

グロックの歴史

グロック社画像
GLOCK Inc. Smyrna, GA – USA 画像出典:eu.glock.com

1980年代初頭、オーストリア軍が新型制式ピストルの調達を開始したことが、グロック17の開発のきっかけとなりました。当時、銃器の設計経験がなかったガストン・グロックは、自身の持つポリマー素材の専門知識を生かし、ピストルの開発に乗り出しました。

オーストリア軍の要求仕様を満たすため、徹底的な設計と試験が繰り返されました。その結果、軽量で耐久性の高いポリマーフレーム、多弾数と信頼性、シンプルな構造と操作性を兼ね備えたグロック17が誕生しました。1982年、グロック17はオーストリア軍の制式ピストルとして採用され、P80の名称で配備が開始されました。

オーストリア軍での採用をきっかけに、グロック17は世界各国で注目を集めるようになりました。ノルウェー、スウェーデンなど、ヨーロッパ諸国で続々と採用され、アメリカ軍のトライアルにも参加し、高い評価を得ました。その後、イギリス軍、フランス軍など、多くの国の軍隊で制式採用されることとなりました。

ポリマーフレームの採用により、軽量化と耐久性の向上を実現し、多弾数と信頼性により、軍や法執行機関での使用に最適でした。また、シンプルな構造と操作性は、訓練やメンテナンスの容易さに繋がり、幅広いユーザーに支持されました。

グロック17は、軍や法執行機関だけでなく、民間市場でも広く普及しました。高い性能と信頼性から、護身用やスポーツ射撃用として、多くのユーザーに愛用されています。

西暦出来事
1980オーストリア軍が第二次世界大戦時代のワルサーP38に代わる新型の軍用ピストルの調達を発表。
1982ガストン・グロックが軍、警察、民間スポーツ射撃界のヨーロッパの主要なハンドガン専門家チームを編成し、コンバットピストルの最も望ましい特性を定義。
3か月以内に、グロックが以前設計のピストルの実証済みメカニズムを組み合わせたプロトタイプを開発。
グロック17のサンプルが評価試験に提出され、すべての耐久およびテストに合格した後、グロックが勝者として浮上。
グロック17がオーストリア軍および法執行機関に「Pistole 80(P80)」として採用される。(最初の注文は25,000丁)
1983-1985ノルウェーとスウェーデンが共同でグロック17のトライアルを実施。
1983アメリカ国防総省が非公式評価のためにグロック17のサンプルを4丁受け取る。
1985グロック17がノルウェーでP80として採用。
1986最初のグロック17がアメリカに輸入される。
1988グロック17がスウェーデンでPistol 88として採用。
第二世代グロックピストルが導入される。
1991一体型リコイルスプリングアセンブリが元の2ピースリコイルスプリングおよびチューブ設計に置き換わる。
1992約350,000丁のピストルが45カ国以上で販売。(250,000丁がアメリカ国内で販売)
1998第三世代グロックモデルが導入される。
20022002年以降のピストルには、チャンバーインジケーターとして機能する新型エキストラクターが搭載される。
2003グロックが内部ロックシステム(ILS)安全機能であるグロックセーフティロックを発表。
2009グロック22 RTF2(Rough Textured Frame 2)(.40 S&W)が導入される。
2010第四世代グロックモデル(Gen4)がSHOT SHOWで発表される。
2011グロックがリコイルスプリング無償交換プログラムを発表。
2013イギリス軍がブローニングハイパワーピストルをグロック17 Gen 4に更新を始める。
2016アメリカ連邦捜査局(FBI)がグロックに新しい9×19mmパラベラムのデューティピストルを提供する契約を授与。
インディアナポリスメトロ警察署(IMPD)がグロック17Mピストルでトレーニングを開始。
IMPDが17M自主リコールを発行。
2017第五世代グロックモデル(Gen 5)が発表される。
2020フランス軍(FAF)がMAC Mle 1950およびPAMAS G1ピストルをグロック17 Gen 5モデルに更新を始める。
2023創業者ガストン・グロックが死去

創業者ガストン・グロックの生涯

ガストン・グロック(1929~2023年)は、オーストリアの技術者であり実業家で、グロック社の創業者です。1929年にウィーンで生まれ、第二次世界大戦末期には10代でドイツ国防軍に徴兵されました。戦後、技術者としてキャリアをスタートし、1960年代にはカーテンロッド、1970年代にはオーストリア軍向けのナイフを製造しました。

52歳になって初めて銃器の設計・製造に乗り出し、1980年のオーストリア軍の新型ピストルコンペに参加。ポリマーフレームのグロック17を開発し、1982年にオーストリア軍と警察に採用されました。グロックは20世紀で最も影響力のあるハンドガンの一つとなり、ポリマーフレーム、ストライカー方式のピストルという業界全体のトレンドを牽引しました。

1999年には、財務顧問による殺人未遂事件に遭いましたが、反撃して難を逃れました。

私生活では、1958年にヘルガ・グロックと結婚し、3人の子供をもうけましたが、2011年に離婚。同年に、脳卒中の治療で出会った50歳年下の看護師、キャスリン・チコフと再婚しました。

グロックは、100万ユーロ以上をオーストリアの慈善団体に寄付し、オーストリア自由党にも資金を提供。彼は公の場を避け、プライバシーを重視する「隠遁したオーストリアの億万長者」として知られていました。

西暦出来事
1929年7月19日ガストン・グロックがウィーンで生まれる。
第二次世界大戦末期10代の頃にドイツ国防軍に徴兵される。
戦後技術者として学校を卒業し、ハンドドリル会社に入社。
1958年ヘルガ・グロックと結婚。
1960年代カーテンロッドの製造を開始。
1963年ヘルガ・グロックと共同で家族経営の会社を設立。
1970年代オーストリア軍向けにナイフの製造を開始。
1980年オーストリア軍の新型サービスピストルコンペに参加。
HKの最初の2つのポリマーフレームピストル、VP70とP9の開発に携わった2人の技術者を雇う。
ガレージの作業場でオーストリア軍向けのフィールドナイフのハンドルと鞘を製造するために射出成形機を購入。
1981年4月グロック17のオーストリアでの特許を申請。
1982年9x19mm弾を使用する最初のグロックピストル「グロック17」がオーストリア軍および警察に採用される。
1980年代半ばグロックピストルがアメリカで販売され、犯罪率が上昇していた時期に法執行機関に採用される。
1999年7月財務顧問のチャールズ・エワートが資金を横領した疑いを持つ。
エワートがフランスの傭兵を雇い、グロックを殺害しようとするが失敗。
エワートと傭兵は殺人未遂で有罪判決を受け、刑務所に送られる。
2008年脳卒中で倒れ、後の妻となる50歳年下のキャスリン・チコフの看護を受ける。
2011年ヘルガ・グロックと離婚し、訴訟となる。
キャスリン・チコフと再婚。
2017年訴訟が棄却される。
2023年12月27日ガストン・グロックが94歳で死去。