多くのライフルは遠距離のターゲットを狙うために使用され、一方でショットガンは近距離のターゲットを狙うために使用されるという違いがあります。
遠くのターゲットに命中させるには銃を静止させる必要があり、プローン(伏射)で射撃されることが多いライフルにポンプアクション(スライドアクション)を利用すると射撃時の体勢上、装填が困難で扱い難くなります。
第一次世界大戦時の塹壕戦のように射撃姿勢がスタンディング(立射)であっても、銃と地面が近い場合はポンプアクションは不便なため、ボルトアクションの顔に近い位置に配置されたボルトハンドルを操作する方が扱いやすくなります。
しかし、ショットガンは近距離で使用されるためプローンでは使用されません。
ポンプアクションは両手で銃の重さを支えながら装填と排莢が可能なため、移動しながら射撃するといった動きの多い場面で扱いやすい機構です。
現在でもポンプアクションのライフルが販売されていますが、こうしたライフルをサンドバッグやライフルレストの上に置いて使用するとフォアエンドを前後させるために銃を持ち上げる必要があり、装填毎に面倒な操作を強いられます。
また、銃身にフォアエンドが接続されるポンプアクションの構造は銃身に外部から力が加わるため命中精度に悪影響があり、ライフルには不向きといえます。
アメリカでは古くからプリンキング用ライフルで.22LRのポンプアクションに人気がありましたが、こうした精密射撃を必要としない近距離射撃を楽しむためのライフルではポンプアクションが便利です。
(ただ、現在ではセミオートが人気のためポンプアクションのライフルは以前より少なくなりました)