どのピストルも軍や警察の要求条件をクリアして採用された優秀なピストルであることには変わりなく、命中精度、耐久性、メンテナンス性といった実用性はどれも申し分ありません。
ただ人によって実射の印象がことなるため、これが決定的に優れるといった誰もが納得する順位付けは難しいと思われます。
そこで私の実射経験を元にした「個人的感想」という意味で総合的な性能差を順位付けしてみたいと思います。
【1位】ベレッタ92FS
9mmとしてはサイズが大きい、慣れないとスライド操作時にセイフティがオンになりやすい・・・といった問題はありますが、ジャムの少ない信頼性、命中精度、重量バランス、撃ち易さ、メンテナンス性などを総合的に判断して高く評価できます。
オープントップなので薬室確認が容易ですし、定期的なスプリング交換さえ行っていれば殆どジャムがなく、弾頭重量や弾頭形状が変わっても問題ない確実な作動性能が魅力です。
コンシールドキャリーには向きませんが、サービスピストルとして非常に優秀です。
【2位】グロック17
コストパフォーマンスに優れるピストルで、かなりハイグリップが可能なデザインが高く評価できます。
速射性能が高く、短時間に大量の弾をターゲットに撃ち込める性能はベレッタ92FSより優れています。
気になる点があるとすれば、軽量フレームが影響して甘いグリップで射撃すると相対的にジャムを起こしやすいリスクがあります。
通常の使用では殆ど問題ありませんが、負傷して握力がだせない状況など、特殊な状況で若干の不安があります。
【3位】SIG P226
最近は質が下がったと悪評されていますが、撃ち易く命中精度も高いピストルです。
実射性能は申し分ありませんが、個人的にグリップ形状に不満があります。
デコッキングレバーが邪魔なので、これを廃止してスマートなグリップにして欲しいと感じるのは私だけでしょうか。
【4位】H&K USP
良いピストルであることは間違いないものの、USPファンの方には申し訳ないのですが、総合的に他の3丁に劣ると感じます。
サイズが大きくてどちらかといえばバルキーで、スライドのセレーション幅が広いためガンオイルが付着すると滑りやすく引きにくいのが難点ですが、二重リコイルスプリングのおかげで反動はソフトです。
速射時の命中率は他の3丁より劣ると感じますが、ゆっくり1発ずつ発射した場合はかなり高い命中精度を実感できます。
スライドストップが大きく操作しやすい反面、グリップ中に無意識に押し下げやすいため全弾発射後のホールドオープンに失敗するリスクがあります。
また、汎用性のないアクセサリーレイルのためレイルアダプターを使用しない限りウェポンライトなどの選択肢が限られるのはマイナスポイントです。
パドルマガジンリリースは一癖ありますが、慣れると非常に扱いやすいデザインだと思います。
高価でコストパフォーマンスが良いとはいえませんが、コレクションしたくなるルックスの良さが魅力ですし、私もエヴァンゲリオンを見てタナカのH&K P8ガスブローバックを購入したぐらいなので、実銃の性能云々は度外視して個人的にお気に入りのピストルです。