状況にもよりますが、目の前の人物が武器を所持しているか、または武器を取り出そうとしているかといった確認が必要になり、その人物(ターゲット)の両手の状態が注視されます。特にアメリカの警察では両手が確認できなければ「両手を見せろ」と警告します。
殆どの場合、その場で瞬間的に民間人だと判断することは困難なため、基本的に民間人であっても犯人(敵)の可能性があるものとして扱われるのが通常です。
例えばアメリカの学校では度々発砲事件が起きますが、こうした状況では情報が錯そうして犯人の特徴や人数が明らかになるまで時間を要することが多いため、生徒全員に両手を上げさせた状態で一列に並ばせて外へ移動させ確認を行うことがあります。
軍事作戦や人質救出作戦の場合では事前に情報収集を行うため、突入前のブリーフィングで情報共有してある程度内部の状況を予め判断できる場合もあります。
>アクティブシューターなど、目についた人すべてを撃とうと考えている相手に対し、撃っていい相手、駄目な相手が決まっている警察官は不利なように感じますが、どうやって対処しているのでしょうか?
基本的に目撃者情報や監視カメラ映像で判断したり、直接武器の所持を確認することになりますが、アクティブシューターのケースでは対応が難しく、アメリカの警察コミュニティーでも問題視されています。
通報者や目撃者から得た情報には間違った情報も含まれているため確定するまで時間を要しますし、同時に警察無線のメインチャンネルが一杯になりやすく、ストレス状況下での無線の使用方法をトレーニングしているところもあります。
SWATなどの特殊部隊はアクティブシューターに対応するためのトレーニングを行っており、常時無線でコマンダーと情報を共有しつつ周囲の状況を確認しながら他チームと連携する用意ができています。
しかし、最初に現場に到着する地元警察(ファースト・リスポンダー)はそういったトレーニングを行っていないことが多く、極度の緊張から現場に集中しすぎて周囲が見えなくなるという、いわゆる「トンネル・ビジョン」の問題が起きたり、ストレス状況下で無線の使用を忘れて連携がとれなくなる状態や、他チームと鉢合わせて誤射のリスクが生じるなどといった問題点も指摘されています。
ですが規模が大きい事件の場合は地元警察にFBIが加わって支援する体制になっているため、アクティブシューターの専門家や経験者によって対応されることで緩和されることもあるようです。