用途や目標とするパフォーマンスをどこに設定するかによって異なるため一概に言えませんが、現在市場に広く流通している弾薬で中間位置にある弾頭重量の弾頭は大抵の用途に対応可能です。
例えば、ある弾薬の弾頭重量バリエーションに100グレインから200グレインまであるとしたら、150グレイン弾頭は用途を問わずパフォーマンスが高い傾向があります。
長距離射撃の場合は空気抵抗による減速を抑えるために弾速を犠牲にしてでも弾頭重量が重くBC(弾道係数)の高い弾頭が必要になりますが、中距離以下では弾速を優先した方が良い場合があります。
また弾頭の設計についても弾速や弾頭重量のバランスが考慮されているため、弾速が速すぎても着弾時にバラバラに飛散することでパフォーマンスが低下したり、弾頭重量を増量しても弾速低下によって弾頭の拡張が不十分になる場合があります。
ですが技術向上によって高速でもフラグメンテーションが起きにくい弾頭や、低速でも拡張しやすい弾頭が開発されるようになったため、必要な弾速や弾頭重量の条件は昔と比べると緩和されているといえます。
拳銃弾で対人用としてホローポイント弾を使用する場合は、ある程度の弾頭重量が無ければ慣性力による貫通力を得られないため、やや重い弾頭重量が推奨されます。
現実的には自動車のドアやガラスを貫通させたり、致命傷となる部位まで弾頭を到達させる必要があり、これには軽量高速弾よりも、ある程度の弾頭重量が必要です。
ただし、着弾時の横転(タンブリング)による効果を狙った弾薬は高速である必要があるため、各弾薬のベストパフォーマンスは弾頭の設計によっても異なります。