最近アメリカの銃社会についてかなり話題になってますが、銃によって犠牲になった人数は日本のニュースでは紹介されているにも関らず銃によって助かった人数が紹介されていません。
それ故に「銃は役に立たないじゃないか」と感じる人が日本には多いように感じます。
個人的には治安関係の問題を語る上ではこの助かった人の数こそ大事なようにも見えますし、2016年7月号のGun誌にもその様な事が書いてあり感心すると共に、同時にカウントが出来ないとも書いてあり、疑問に思いました
実際にアメリカで銃によって助かった人数はおおよそどれくらいなのでしょうか?
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ご指摘の通り、死傷者はカウントできますが、銃によって助かった人の正確な人数はカウントできません。
1000人いるショッピングモールで銃撃事件を防いだからといって、「1000人の命を助けた」とはいえないでしょう。
ですが、状況次第では予測として何人ぐらいが助かったかカウントできる場合もあります。
こちらの記事では、2014年7月~2015年7月の間に、195件の事件で銃を使用し、約283人の命が助かったとみています。
そのうち男性133人、女性40人が銃を使用し命を守りました。
http://dailycaller.com/2016/01/05/gun-control-owners-criminals/
しかし、いくらアメリカとはいえ、殆どの人は普段から銃を携帯しておらず、銃によって助かったケースは全体からみれば僅かです。
こちらの記事では、銃の携帯許可を持つ人は全体の約5.2%としていますが、携帯を認めない州もあれば、携帯許可が不要な州もあるため、地域差があります。
http://crimeresearch.org/2015/07/new-study-over-12-8-concealed-handgun-permits-last-year-saw-by-far-the-largest-increase-ever-in-the-number-of-permits/
このように、銃を携帯する人の母数が圧倒的に少ないため、「銃による死者 VS 銃により助かった人」を比較して「武装は意味が無い」という昨今の議論そのものに意味が無いと感じます。この議論が成立するには、国民全員が常に銃を携帯している前提が必要ではないでしょうか。
おそらく、全員が武装したとしても、銃による死者の数が助かった人の数を上回ります。しかし、それでも自分の身を守る権利や術を奪われることは、自分の身は自分で守り、圧政に屈しず、憲法で保障された自由と権利を守る意識が強い国民からは到底理解を得られないでしょう。