米軍の統計では退役軍人の52%が何らかの聴覚障害を持ち、イラク/アフガニスタン紛争では男性の20%前後に聴覚障害があるというデータもあります。
聴覚障害の原因には銃声やIEDなどの爆発物の他、甲板上のジェットエンジンや船のエンジンルームで作業したことによるものも含まれますが、聴覚障害は軍で最も多い障害の一つです。
米軍の例では戦闘時にはHPD(ヒアリング・プロテクション・デバイス)を使用するようにとの要求がありますが、実際にはこれを拒否する兵士が多いようです。
拒否理由として挙げられるのは、「HPDを使用すると周囲の音から状況を確認できない」や、「命令を聞き取りにくい」などです。
WW2やベトナム戦争の時代もイヤープラグが存在しており当時のマニュアルにも記載がありますが、現在よりもっと現場での使用頻度が少なかったと言われています。
米海軍では使用されていたようですが、米陸軍では(大口径マシンガンや大砲などの射手を除き)使用されることが少なかったと聞いています。
私の個人的経験ではマシンガン(7.62mm)を射撃中に隣の人と会話するのは困難でした。
10メートルほど離れると会話できましたが、1~2メートルだと呼びかけても気が付かないので肩を叩いたりして意思疎通する必要があります。(セミオート時など射撃間隔が大きい場合は気が付きやすいです)
人間の声は大きくても80デシベル程度ですが、ライフルは140デシベルにもなるので、声はなかなか聞き取れません。