弾道の位置に身を置かなければ被弾しないという理屈は正しいです。
ですが仮に俊敏な動きで弾道を避けるなら射手はそれを見越して射撃しようとするため、移動目標に対する射撃経験が豊富な射手ほど避けにくいと思われます。
また銃口がターゲット(自分)に向いている状態から相手の視線や指の動きを見て避けるのは恐らく不可能でしょう。
射手のトリガープルが下手なおかげで弾が逸れる場合はチャンスがありますが、トリガーを引いて撃発に至るまでの時間より早く動ける人間が存在するのか疑問です。
「コナン」や「リコリスリコイル」では発射のタイミングを見計らっているような描写ですが、仮に身体が異常に早く反応できたとしても撃発のタイミングを計るのは難易度が高すぎます。
9mmピストルでターゲットまでの距離が300メートルあれば着弾まで約1秒なのでマズルフラッシュを確認すると同時に反応すれば避けることも可能かもしれませんが、運悪く避けた方向に弾が向かう可能性もあります。
現実では近距離で数十発撃ちあっても一発も命中しないという事例は珍しくありません。こうした状況は双方が弾道に反応して意図的に避けているわけではなく、ストレス状況下ではアドレナリンにより興奮状態となる影響の他、相手の動きに対応できず命中率が低下し、結果的に被弾の確率が減少する傾向があります。
こうした命中率が低下する状況下では現実でも創作のように「弾を避けたように見える状態」が再現される可能性があるかもしれません。