軍において銃は目的を達成するための道具である以上、目的が変わればそれに適した道具が使用されます。
しかし実戦で何が最も優先されるかを考えたとき、それは「トリガーを引けば必ず弾が発射される」という作動の信頼性が重要視されます。
耐久性や装弾数云々以前に、必要なときに弾が出なければ使用する意味がありません。
また耐久性に関しては定期的なパーツ交換などメンテナンスで解決されるため、信頼性が高いとして例に挙げられる銃においては大差が生じる要素ではありません。
そこで私はベレッタM9(92FS)を「最強」として選びたいと思います。
もちろんベレッタM9にも欠点が存在しますが、ジャムが少ない作動の確実性という点で非常に優秀で、軍により膨大な時間とコストを掛けてテストされ、同時にバトルプルーフされているという高い信頼性を証明する科学的かつ経験的な裏付けがあります。
ジャムが少ない信頼性の高いピストルは多数存在しますが、ランダムに抽出した多数の同一の銃を何十万発も試射するといった大規模なテストが行われる機会は限られており、特に民間レベルでは滅多に行えるものではありません。
ベレッタM9(92FS)はバックストラップに親指を当てて人差し指でトリガーを引くといった極端な撃ち方でも確実に装填と排莢が可能で、弾頭重量や弾頭の種類が変化しても安定しています。
しかし最初に述べた通り道具は目的によって選ばれるため、例を挙げるとネイビーシールズがグロック19を採用したように、海水に浸かる環境下ではベレッタM9よりグロック19の方が適しているといえます。
また、どんな銃も「良い状態」を維持しなければジャムが発生しやすくなるため、定期的な消耗パーツ(スプリング類やマガジンなど)の交換や、適切な弾薬を使用するといった「適切な取り扱い」が前提となります。