パリ砲や大口径の銃・砲は数発でライフリングが削れたり無くなってしまうのですか?
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パリ砲は65発で交換されましたが、口径と銃身命数(砲身命数)は比例しません。
第二次世界大戦時の戦艦の主砲の砲身命数は200~300発や400~500発等とそれぞれ幅がありますが、ライフリングに掛かる摩擦の大きさや使用する装薬の燃焼温度、装薬に含まれる成分の違い、弾頭の種類、腔圧、弾速など様々な条件によって異なります。
ピストル弾の9mm~.45ACPでは8万発以上発射することも可能な一方、これより口径が小さいマグナムライフル弾では1000~2000発で命中率に影響が出ますし、アサルトライフルクラスでは.308winで2000~3000発、.223で3000~4000発で命中率の低下が現れます。
しかし、ライフリングの損傷による弾速低下と命中率低下は、発射の度に少しずつ摩耗し損傷が現れるため、命中率低下の許容範囲をどこに設定するかによって異なります。
ライフリングが無くなるまで発射することも可能ですが、ライフリングが無くなる前に弾頭が横転したり命中率が悪化するため、通常はその状態になる前に交換されます。