仮に拳銃で決して破砕も変形もしないほど硬い弾で人や厚さ数センチの鉄板を打つとどうなりますか?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
弾が変形しなければ、弾は着弾しても高い貫通力を維持します。
人体に対しては貫通する可能性が高くなりますが、軽量高速弾の場合は体内で弾が横転する「タンブリング」が発生し、体内に留まる可能性もあります。これは弾の重量バランスの他、弾速や弾頭重量によって結果が異なるため一概にいえません。
使用弾薬が9mm~.45ACPの場合は、胴体の厚みが概ね50cm以内であれば、殆どの場合は貫通する可能性が高くなりますが、弾の進入角度や骨の影響によって貫通しないこともあります。
鉄板に対しては、厚さ数センチではライフルのアーマーピアシング弾でも貫通は厳しいといえます。
.50BMGのアーマーピアシング弾では、厚さ20mmのスチールアーマーを貫通可能な弾薬も存在します。
しかし、ご質問の条件は「拳銃」ですので、大口径ライフル弾を使用する拳銃ではないかぎり、厚さ数センチの貫通は不可能です。
もし変形しない拳銃弾が存在するとして、その弾が厚さ数センチの鉄板に命中すれば、泥の中に石を投げ込んだ状態の様に、鉄板の表面にクレーターが形成されます。もし弾速が速ければ突き刺さることもありますが、拳銃弾では弾速が足りず、着弾場所に留まらずに落下する可能性が高いでしょう。これと同じ現象はライフルのアーマーピアシング弾でも起こります。
関連記事:鋼板に命中した徹甲弾はどう変形しますか?