創作の内容にもよりますが、仮にゲームと小説では事情が少し異なります。
ゲームの場合、トレードマーク(商標)の使用料を支払うのが長年の通例でしたが、ガンメーカー側から見れば広告費無しで商品を宣伝可能なため、交渉次第で使用料無しで実際の名称を使用できることもあります。
その他の例では、コルト社のAR15はトレードマークとして登録されているため、他メーカーのAR15スタイルのライフルは「AR15」以外のモデル名を使用する必要があり、これはゲームで使用する場合においても異なる名称を使用するか使用料を支払う必要があります。
また、カラシニコフコンサーンは「AK47」をトレードマークとして登録しているため、同様の対応が必要です。
しかし、コルト社が権利を保有していないM4A1において、コードマスターズのゲーム「オペレーションフラッシュポイント」では使用料を支払うことなくM4A1の名称が使用されました。
(コルト社はM4のトレードマークを保有しH&K社を訴えてH&K M4からHK416へ改名したこともありましたが、その後のブッシュマスター社との裁判でコルト社によるM4のトレードマーク保有は認められず、M4は一般名称となっています)
カリフォルニア州での暴力的ゲームに関する法律やサンディフック事件以降、ゲーム内の銃に対する風当たりが強くなった背景があるなか、EAの「バトルフィールド3」ではガンメーカーと正式契約していたEAがシュアファイア社やマクミラン社の公式サイトにリンクを張ったことが「ガンメーカーをサポートしている」と炎上し、「バトルフィールド4」でEAは実在のモデル名をゲーム内で使用するが、憲法で表現の自由が保障されているため権利使用料は支払わないと宣言したことがありました。
最近ではガンメーカーから権利侵害で訴えられるリスクを問題視することより、ガンメーカーの商品を宣伝していると疑われたくないという理由から実在の名称を避けるケースがあります。
一方で小説の場合については、文章内で実在のモデル名を使用することに問題はありません。小説内で商標登録されているコカコーラやビッグマックを登場させることも可能です。
しかしフィクションではなく、実際のこととして名誉棄損に当たるような表現をすると問題になる場合があります。
また、ガンメーカーのトレードマークを小説内の挿絵や表紙などに使用する場合も問題になる場合がありますが、トレードマークの丸写しではなくテキストで「COLT」などと表記する場合はアメリカの法律上の「Fair use」の範疇に入り、権利侵害には当たらないと考えられます。
いずれにしても、メーカーの不利益になりそうな場合は注意した方が良いです。