「M19コンバットマグナムは357マグナムの連続使用には強度が云々」とは銃の紹介などで聞くのですが…実際、どの程度の寿命になりそうなものでしょうか?
警察用などであれだけ普及したからにはすぐ壊れた訳ではないでしょうし、今でも射場のレンタルガンや個人のコレクションで撃つ人はいるようですし、巷で言われる程には脆くは無いですよね?
条件によって大きく違うだろうことは承知してはいますが、例えば普通の警官や民間人くらいの射撃ペースで普段は38spl、たまに357を撃つ程度なら、目安としては何年くらいはもちそうなものでしょう?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
銃の耐用年数(サービスライフ)は使用年数ではなく、消費弾薬数が目安になります。
大雑把な目安では、軍用ピストルだと約3万発前後、条件が良ければ5~6万発まで使用できます。
リボルバーでは1~8万発ほどで、同じ.357マグナムでもS&Wよりスタームルガーの方が強度が強かったり、使用弾薬の違い以外に銃の構造によっても異なります。
また小口径の弾薬を使用する銃では、20万発以上使用できることもあります。
どれだけ使用可能かはご指摘の通り条件次第なので、高圧な弾薬を使用するなど銃に負担の掛かる使い方をしていれば、通常より早く使用できなくなることがあります。
>普通の警官や民間人くらいの射撃ペースで普段は38spl、たまに357を撃つ程度なら、目安としては何年くらいはもちそうなものでしょう?
一般の警官は殆ど弾を消費しないので参考になりませんが、民間人で毎週200発射撃したとすると、1年で約1万発強ですので、3~8年ぐらいは問題なく使用できると期待できます。
ですが私はこういった計算は当てにならないと考えているので、耐用年数自体、殆ど参考にしていません。
銃の状態はそれぞれ異なり、使用弾薬も異なりますし、大雑把な目安を個々の銃に当て嵌めるのは無理があると感じます。
>【質問1】
空砲でもリコイルが発生しますが、リコイルがあるということは銃を後退させるほどの圧力が掛かっていることを意味し、腔圧が高くなっています。通常の量の火薬であればバレルは耐えられますが、火薬を増やせば発生するガスの量も増えるので破裂のリスクがあります。(火縄銃で空砲を撃つ場合は、栓として火薬の後に紙を入れることもあります)
また、火薬の粒が細かすぎると燃焼速度が上昇して爆轟に近い状態となることがあります。火薬は燃焼時に粒から粒へと引火して連鎖反応で燃焼が広がりますが、このスピードが速すぎると腔圧の急上昇で破裂しやすくなります。
破裂が起きた場合、銃の問題、火薬の問題、またはその両方に問題があると疑われます。
>破裂事故防止の為、銃身を交換する判断基準は如何なるものでしょうか?
マズルローダーの場合もバレル内を覗いて状態を確認します。
摩耗、ひび割れ、錆などの有無を確認し、凹凸がある場合は研磨してツルツルな状態にします。これは凹みに圧力が加わると力が集中して裂けやすくなるのを防ぐためです。
ひび割れがあると修復は厳しいですが、多少のサビであればクリーニングで除去できることもありますし、研磨で修復できることもあります。
昔はインナーバレルを挿入して修理する方法もあったそうですが、今は違法です。
>また、遊底、ハンマー、フレーム等の寿命はどの様にして判断するのでしょうか?
ひび割れや変形を確認する作業が必要ですが、場所によって判断基準は異なります。主に専用ゲージを使用してヘッドスペースやシリンダーギャップ(リボルバーの場合)を計測したり、マイクロメーターでパーツの厚みなどを計測します。(特にマグナムリボルバーの場合は長年の使用でフレームが前後に伸びるので、シリンダーギャップ計測は必須です)
銃の作動方式によって負荷が掛かる場所が異なるため一概にいえませんが、1911ピストルを例にすると、フレームランプ(フィードランプのフレーム側)周辺、バレルとフレームの接触面、マガジンハウジング周辺は伸びたり割れることがあるので特に確認が必要です。
私はよく各銃のショップマニュアルを参考にするのですが、パーツが可動したり接触する場所、圧力が掛かる場所は全てチェック対象になるので、全て解説すると本が一冊書ける量になります。
ですが、動作確認する主な場所は、チャンバー内の状態は正常か?、ヘッドスペースは正しいか?、フレームに変形はないか?、シアーは摩耗していないか?、トリガーを引いて正しくハンマーは落ちるか?、セイフティーは正常に作動するか?、エキストラクターは曲がっていないか?、スライドストップは作動するか?、スライドやフレームのレールにガタツキや変形はないか?、マガジンリップは変形していないか?・・・等々が確認されます。当然、こういったチェックは軍でも行われています。
>どの部品を交換しているのでしょうか?
1911で消耗しやすいパーツは、リコイルスプリング、マガジン、バレル、フレームなどです。特にリコイルスプリングとマガジンは数千発撃てば最初にヘタリます。
好事家ゲスト
報道によると、愛知県長久手市打越の市立西小学校で開催された「長湫の警固祭り」中、火縄銃が暴発し、射手が左手を失う重傷を負う事故がありました。事故原因は不発後の再装薬によるものとされますが、映像を見ると銃身破裂が原因かと思われます。そこで次の質問をさせて頂きます。
【質問1】映像(https://www.youtube.com/watch?v=MJcErJcrYaQ)等を見る限り、先込め銃に火薬だけを装填し発火させている様に見受けられますが、仮に不発後装薬を抜去せず再装填し発火させたにせよ、弾丸に相当する「栓」が無い限り、腔内圧は急上昇し得ず、結果銃身が破裂することは無いと考えるのは間違いなのでしょうか?
【質問2】破裂事故防止の為、銃身を交換する判断基準は如何なるものでしょうか?また、遊底、ハンマー、フレーム等の寿命はどの様にして判断するのでしょうか?具体的にはMEUピストル等はどの様に個体を抽出し、どの部品を交換しているのでしょうか?
以上について、お答え頂ければ幸いです。
CZ社からScorpion EVO3A1というサブマシンガンが発売されていますが、軍や法執行機関で圧倒的なシェアを誇るMP5に代わって配備される兆しはあるのでしょうか?MP5の登場は結構まえですし…
それともテロリストなどの重装備化が進んでいるとされてるのでサブマシンガンの存在も薄くなっていくのでしょうか?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
CZスコーピオンEVO3A1は市場の評価も良く、東南アジアや中南米を中心に警察や沿岸警備隊でも採用されています。価格が抑えられているのでMP5より導入コストが安価で済むということもあり人気があります。
しかし、MP5からEVOに代わることは限定的です。同じ弾薬を使用する以上、EVOで出来ることはMP5でも出来るので、MP5に消耗/寿命や維持費高騰などの問題が無ければ、わざわざ交代させるメリットがありません。
現在では徐々にSMGから火力と有効射程距離で勝るライフルへ交代される流れがあり、従来のSMGはPDW(個人防御火器)へと運用方法が変わってきています。
信頼性については、AR15は50年間このシステムを利用しているので、システムとしての問題は殆どないと思います。
ただ、信頼性が高ければ寿命が長くなりますね。
例えば、ノンクリーニングで数千発撃てるM4を装備する兵士が一回のパトロールで消費する弾薬は、多くても200~300発とすると、運用上十分な性能があります。しかし、それを毎日繰り返すと少しずつ問題が出やすくなるので、信頼性の良し悪しは長期間の運用で差が出てきます。
また、ボルトに掛かる抵抗は、大容量マガジンでマガジンスプリングが硬いと抵抗が大きいですし、ノンクリーニングで放置するとカーボンの付着によっても抵抗が大きくなるので、クオリティの高いマガジンとクリーニングは、信頼性の高さを維持するには必要となるでしょう。
SIG516については、AR15と同じローテイティングボルトロッキングを利用するショートストロークピストン方式のライフルですが、軍や警察では通常のボルトカムピンで特に問題視されることなく運用されています。
>また他のロータリーボルト、特にマイクロロッキングラグを使う銃ではカムピンがレシーバに当たる事が無いのでしょうか?
カムピンでボルトヘッドの回転を制御しているライフルは、レシーバーに接触しているものが多いですね。
SCAR、G36、ACR、等々。
ですが、ロッキングラグ付きでも、ベネリのイナーシャドリブン、デザートイーグル、オートマグなどは接触しない(またはカムピンが存在しない)構造なので、一概にローテイティングボルト方式だから接触するとはいえません。
100年後ならレーザーガンやレールガン、誘導弾の類が主流で、装薬銃は一線を退いてスポーツ目的用の存在になっているかもしれませんね。
そうであれば、装薬銃は火縄銃のように現代の状態が未来でそのまま再現されそうな気がします。
今後数十年なら、仰るとおり機能の向上があると思います。
対人用はストッピングパワーの他、命中精度や信頼性、携帯性などの向上を目指していくでしょうね。
3Dプリンターの性能が向上すれば、これまで不可能だった構造で製造することも可能だと思いますし、つい最近、金属レベルの硬度を持つガラスの研究のニュースを見ましたが、無色透明の銃が登場するかもしれませんね。
弾薬はパウダーの性能が向上して更に汚れが少なくなれば、ジャムが減って信頼性や銃の寿命が伸びそうです。
高速バーストのAN94は登場から20年以上経ちますが、他社が追随しないのを見ると将来性は少し疑問に思うところがあります。