そもそも本当に不向きなのでしょうか。
銃剣が向いていないと判断する基準をどう考えるかという問題もあると思います。
米軍では着剣時に最も力が加わるバヨネットラグの部分に荷重を与え、どれだけ銃身に影響を与えるかといったテストも行っており、1983年のレポートではM16A1では約220kg、A2では約340kgに耐えることが分かっています。
現在の軍用ライフルでは素材や設計技術の向上によりM16A1の銃身の約9倍の剛性があると言われており、銃剣の運用に関して米軍が定める基準をクリアし採用に至っています。
銃剣使用に対する強度において現代のライフルは大戦中のライフルと比較して劣る傾向がありますが、ライフルの運用や戦闘方法が異なる現在では銃剣の重要性に差があります。
より強い強度を持たせるにはフランスのMAS38やドイツのKar98Kの様に、ストックが銃剣を支える構造であることが望ましいですが、現代ではそういった銃は多くありません。
これに近い現代のライフルの例としては、H&K G3系ライフルが挙げられますが、これらは銃剣に加わる力をレシーバーで支えることができるため高い強度を得ています。
また、AR15系ではレイルハンドガードにマウント可能なバヨネットラグも存在し、こういったパーツを利用すれば銃身に強い荷重を与えることなく使用することも可能です。