PR

カップ&ソーサーについて

  • このトピックには2件の返信、1人の参加者があり、最後にアリスにより9ヶ月、 3週前に更新されました。
3件の投稿を表示中 - 1 - 3件目 (全3件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #103068
    アリス
    ゲスト

    申し訳ありません。もう一つ質問があります。TVドラマや映画で良く登場する
    カップ&ソーサーというグリップ方法ですが、管理人様はこのグリップは
    現在は見直されていると別ページでおっしゃられていますが、あえてシングルアクションの銃
    ではなくダブルアクションが可能な銃で行うメリットはあるのでしょうか?
    また、別ページでアメリカの警察がリボルバーを採用していた時代には法執行機関の公式な
    グリップだったとありますが、何故カップ&ソーサーが公式なグリップだったのでしょうか?

    連続で質問してしまい申し訳ありません

    #103070
    ポルポル
    キーマスター

    カップアンドソーサー(ティーカッピング)の発明者は諸説ありますが、そのなかでもウィリアム・フェアバーン(William E. Fairbairn)の影響が考えられます。

    英軍兵士で近接戦闘の専門家であるウィリアム・フェアバーンは1907年から上海警察に所属し、あるとき英軍兵士が中国人ギャングに殺害された事件を切っ掛けに現代のSWATが行うような近代的な訓練によって警察の能力を向上させた人物として知られています。

    カップアンドソーサーの他、映画「ダーティーハリー」でクリントイーストウッドが行ったグリップ(リストグラビング)もウィリアム・フェアバーンが提唱しており、彼は第二次世界大戦時に米軍で指導も行っていました。

    当時ハンドガンは片手で射撃されるのが常識でしたが、米軍において1911ピストルの射撃法の1つとしてカップアンドソーサーが採用され、近距離では片手で射撃し、ターゲットまである程度の距離がある場合は両手で保持する手法でした。

    特にカップアンドソーサーは伏せ撃ち(プローン)の際に銃を支えやすいため、戦後アメリカの法執行機関でも採用されています。

    しかし、これが切っ掛けに両手で保持するようになったわけではなく、戦後にはFBI捜査官のジェリーブライス(Jacob Aldolphus Bryce)が片手のみの射撃法を提唱し、多くの法執行機関が採用していました。

    ジャックウィーバーが提唱したウィーバースタンスが1982年にFBIに採用されるまで、カップアンドソーサーは広く利用されていましたが、警察の主力ハンドガンがリボルバーからピストルに移行すると、カップアンドソーサーの問題点が目立つようになった形です。

    カップアンドソーサーはマズルジャンプを抑える方法として有効とはいえず、ピストルで使用するとフレームの後退によりスライドの後退量が不足しジャムの原因になりやすい他、破裂事故が起きた際に高圧ガスがグリップ内を通るためサポートハンドをマガジンの下に置くことは不適切という見方もされるようになりました。

    とはいえ、リボルバーなら良いというわけでもなく、やはりカップアンドソーサーはマズルジャンプによって銃がサポートハンドから離れやすいため、連続射撃時の速射性を重視する場合は不向きといえます。

    勿論、射手のスキルと使用銃(使用弾薬)の組み合わせによってはカップアンドソーサーでも問題無く良い結果が出せる場合もあるため、全てのケースで不向きとはいえませんが、射撃スキルが高いわけではない不特定多数の軍や警察においては適切ではなくなっています。

    #103072
    アリス
    ゲスト

    詳細な回答ありがとうございました。一口にカップ&ソーサーとは言ってもきちんと歴史的な
    背景があったのですね。大変勉強になりました。

3件の投稿を表示中 - 1 - 3件目 (全3件中)
  • フォーラム「実銃掲示板(過去ログ)」には新規投稿および返信を追加できません。
タイトルとURLをコピーしました