横からですが、ベレッタ84FのディコッカーはON時にシアーをリリースする役目を持つ左側レバー
(右手保持の場合親指で操作するレバー)の裏面にある下の突起を削り落とすことでもディコッキング機能がオミットされます。
この場合はセフティON時でもハンマーダウンせずフルコックポジションで保たれる仕様になりますが、
トリガーを絞るとハンマーが倒れます。この際内部で何が起こっているかを考察する前に、
84Fのディコッキング機能について触れる必要があります。
(84Fのディコッキング作動)
セフティレバーを上に上げると、ディコッキング機能が起動する。左側セフティレバー裏面に設けられた突起が
シアーを前方に倒す。これによりハンマーとシアーの結合が外れ、ハンマーがリリースされる。
リリースされたハンマーはセフティレバーの作動と連動するインターセプターによって前進を妨げられ、
途中で停止。右側セフティレバーの裏面の切削部位と、その下に設置されたトリガーリリースレバーが連動して
トリガーバーを下降させる。これでディコッキングが終了。この状態(セフティON状態)ではトリガーを絞っても、
トリガーバーが下降していることによりハンマーに設けられたコッキングノッチの下を通り過ぎるようになるために
トリガーによるコッキングは空振りすることとなる。ついでに書くならシアーが倒れているため、
ハンマーを直接コッキングすることも不可。
(通常のディコッキング作動については終了)
続いて左側セフティレバーの突起を削り落とした場合についてです。
(ディコッキングをオミットした場合)
左側セフティレバーを上げる。本来はシアーが前方に倒れるがこの工程はカットされる。
ハンマーとシアーの結合が外れることは無い。インターセプターは作動する。右側セフティレバー裏面の切削部位と、
その下に設置されたトリガーリリースレバーが連動してトリガーバーが下降。この時点で一連の作動が終了。
ハンマーはコッキング位置で保持されているが、トリガーを絞るとハンマーが倒れる。
これはレストポジションあるいはディコッキングポジションではトリガーバーの足とハンマーのノッチが絡んで
コッキングが作動するが、フルコックポジションではハンマーのフルコックノッチとシアーの歯が嚙み合っており、
この位置ではトリガーバーの下降量が足りずシアーを押し込んでしまうため。メーカー側の想定としては
セフティON時のトリガーリリースレバーの作動量はDAポジションで考えていると思われ、
SAポジションでの作動を想定していないためと思われる。
(ここまでがディコッキングオミット時の作動について)
そういうわけで、結論を言うとディコッキング機能の削除は簡単ですが、単純にマイナス加工を施しただけですと
H&K P9SやS&W 52、ワルサー PK380等に見られる、セフティをONにしてもトリガーを絞れば
ハンマーが倒れてしまう仕様になるようです。F以降の機種の場合、一応インターセプターの働きにより
ハンマーの前進は途中で妨げられるので、暴発はしませんが……。
――と、長々書きましたが今回の検証は「ウェスタンアームズのトイガン(M84F)」で試したものです。
しかし、このトイガンはオモチャとは言えメカニズムの再現度は高く実銃にかなり忠実ですので、
実銃でも今回の検証と近い作動をするかと思われます。実銃はトイガンなどと比べられない程剛性があるでしょうから、
もしかするとうまい具合にトリガーバーの足部分がシアーを避けてコック&ロック的なアクションが可能になるかもしれません。
いずれにせよ、実銃を弄ってみないと実際のところはわかりませんね。参考程度にどうぞ。
ていうか、本筋から外れてしまっているようで申し訳ない……。更に蛇足を書かせてもらうなら、
このディコッキング機能オミットを試みる際にトリガーリリースレバーを延長すると、
トリガーバーの下降量をいくらか増やすことが可能(実銃でも)なので、当該レバーとトリガーバーの調整次第では
ディコッキング機能の完全なオミット(コック&ロック化)が可能かもしれません。