ご指摘の通り、プレスチェックが閉鎖不良を誘発する可能性があります。
しかし銃のコンディションは個体差があり様々なため、プレスチェックによる閉鎖不良はレアケースとなる場合もあります。
オートライフルの場合、大量に射撃されることで内部が汚れやすく、砂などの異物の混入やマガジンスプリングの抵抗によって閉鎖不良が起きやすい状態になることがあるため、フォワードアシストが役に立つことがあります。(チャージングハンドルがボルトやボルトキャリアと連動する構造のモデルではチャージングハンドルを後ろから押せば閉鎖します)
一方、ピストルは弾薬消費が少ないため汚れにくく、マガジンスプリングの抵抗も大きくないため、この様な原因が元で閉鎖不良になる可能性は相対的に低いといえます。
ピストルのプレスチェックについては銃を扱うプロの間でも意見が分かれており、以下の様な意見があります。
意見1「プレスチェック後にスライドの後部を叩く」
意見2「プレスチェック後にスライドの後部を叩かない」
意見3「常に装填状態を把握しているのでプレスチェックは不要」
私が受ける印象では、2や3の意見が多いと感じます。
私は個人的に「プレスチェックは不要」と考える立場なのですが、もしプレスチェックを行う際に閉鎖不良を不安に思うのであれば、保険の意味でスライドの後部を叩いておくのは良いと思います。
私は基本的にプレスチェックしてもスライドを叩いたりしないのですが、射撃中に発生した閉鎖不良でスライドの後部を叩いてジャムクリアした経験は多々あります。(装填不良の場合はエキストラクターの爪がケースリムに咬んでいないこともあるため、スライドを勢いよく前進させてエキストラクターを咬ませる必要があります)
この様な状況でも、ハンマーが露出しているピストルの場合は誤ってハンマーを叩かないようにスライド後部の上の部分を狙って叩くよう注意が必要です。
本来、銃のボルトやスライドが閉鎖しないのは何らかの異常が考えられるため、無理に閉鎖するのは避けるべきです。状態によっては異常腔圧による破裂など事故の危険もあります。
しかし「撃たなければ自分やチームの命が危ない」という状況においては、閉鎖しない原因を突き止める時間的余裕はないため、無理にでも閉鎖し、いつでも弾を発射できる状態にすることが優先されます。
AR15の開発者であるストーナーがフォワードアシストの追加に反対したものの、軍の強い要請によって追加されたという話は有名ですが、「閉鎖不良は異常のサイン」ということを知ったうえでフォワードアシスト機能を利用することをお勧めします。