.22TCMは趣味の射撃としては面白い弾薬ですが、実用的かといえば疑問が残ります。
法執行機関やディフェンス目的で使用する場合、過度に貫通力が高い弾薬は貫通弾による二次被害の問題があるため好まれません。
5.7x28mmは軽量高速弾により着弾時のタンブリングによるストッピングパワーが高く、軽量なため貫通弾による二次被害を抑える設計になっていますが、.22TCMはそのような設計ではありません。
ディフェンス用途では口径、弾頭重量、マズルエナジー等を考慮すると.357SIGの方が有効だと思われますし、コスト、入手しやすさ、弾頭のバリエーションを見ても9mmや.357SIGが勝ります。
ハンティング用途では小動物ハンティングに利用可能ですが、コストや性能を考慮すると.22TCMより優れる弾薬が他に多く存在するため、.22TCMでなければならない理由がありません。
軍用としては弾道性能は5.7x28mmの方が優れ、射程距離やストッピングパワーの面で.22TCMは劣ります。
ターゲットシューティング用途ではコストや入手しやすさという点で9mm~.45ACPといったポピュラーな弾薬に劣ります。
いずれの場合でも.22TCMで可能なことは他の弾薬でも可能なため用途が限られますが、マズルフラッシュが大きく低反動なこともあり、「射撃の楽しさ」という意味では評判の良い弾薬です。
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