ご存知の通り実銃のマガジンは強いマガジンスプリングを使用しているため、ボルトが閉鎖した状態でマガジンを挿入しようとするとマガジンキャッチが掛からずマガジンを落としてしまうことがあります。
これはライフルの「初心者あるある」ですが、ある程度慣れていてもやりがちです。
30連マガジンで30発装填した状態ではマガジンの装填に失敗することがあるため、28~29発装填して対応される場合もありますが、多くの30連マガジンは物理的に31発装填することも可能で、この場合ボルト閉鎖状態でマガジンを挿入するのは殆ど不可能です。
また、ボルト閉鎖状態でマガジンを装填しチャージングハンドルを引く際、チャージングハンドルを最後まで引き切らず途中で手を離してしまい、初弾が薬室に装填されないことも初心者に多いミスです。
これを防ぐためにもマガジン装填後にボルトキャッチを押してボルトを前進させる方が確実です。
このようなこともあり、タクティカルリロードなどを除きボルトオープン状態でマガジンを挿入する指導は一般的に行われています。
指導する側の視点で見れば、マガジンを落下させて破損されるのも困りますし、落下したマガジン内部に砂などが侵入してジャムの原因になったり射撃後の分解クリーニングが面倒ということもあれば、毎回「マガジンが入りません」と質問されるのもウンザリしそうなので、予め注意しておきたいという気持ちにもなると思います。
AR15の場合、ボルト閉鎖状態でマガジンを挿入してもボルトやボルトキャリアを破損することはないため、銃へのダメージは心配ありません。
HKスラップも銃の破損防止が主な理由ではなく、ローラーディレードの銃ではローラーを定位置に納めなければジャムの原因となるためボルトを勢いよく前進させる必要があるということとマガジンリップの破損防止が主な理由です。