水平二連銃(サイドバイサイドショットガン/ライフル)の独立した2本のトリガーは左右の銃身を撃ち分けるためのシンプルなトリガーです。
基本的には、前のトリガーが右側の銃身、後ろのトリガーが左側の銃身から発射します。
このトリガーの多くは二つのトリガーを同時に引いて二発同時発射が可能なため、象狩りなどビッグゲームハンティングでは大きな殺傷力を得るために使用されたポピュラーなトリガーでした。
画像のトリガーは「ダブルセットトリガー(DST)」と呼ばれるトリガーで、前のトリガーが撃発に使用され、後ろのトリガーは撃発用トリガーを軽くするためのスイッチの役割を果たします。
このシステムは19世紀からフリントロックライフルなどでヨーロッパを中心に広く利用されており、軽いトリガーだと移動中に暴発や誤射の危険があるため、射撃の際には後ろのトリガーを引いてから前のトリガーで発射するといった、安全装置の代替として利用された歴史があります。
また、重いトリガーでは遠距離の射撃が難しいため、トリガーを軽くしたい精密射撃では重宝されることから、競技用ライフルでも採用されています。
前後のトリガーの間にはネジがありますが、このネジを回すとトリガーの重さを調節することができます。