ガス作動のAR15は銃身の側面に空いた穴(ガスポート)からガスを取り込み、ガス圧によってボルトキャリアを後退させて薬室を開放し、銃身内の余剰ガス圧も加わって排莢する構造です。
装薬の燃焼によりガスが発生すると腔圧が急激に上昇し、そして緩やかに圧力が低下しますが、銃身長が短いほどガス圧が高い状態で薬室を開放することになります。
ガス圧が高いと装填と排莢のサイクルが速くなり、反動も大きくなります。また、エキストラクターが滑って排莢に失敗する、パーツの消耗が激しくなる、高いガス圧による焼損(エロージョン)の原因になるといった悪影響が生じる場合があり、特に高圧の弾薬とショートバレルは相性が悪い傾向があります。
殆どの場合、10.5インチバレル以上であれば問題は少ないといえますが、7.5インチといった短い銃身ではチューニングが必要とされることがあります。
(反動についてはバッファーとバッファースプリングの重さを変更すると軽くなります)
また、ガスポートから銃口までの距離も重要で、ガスポートと銃口が近すぎると銃口から弾頭が離れて急激にガス圧が低下することで銃の作動に必要な圧力を得られなくなります。また逆に、遠すぎると高圧になり作動不良や反動が強くなる原因にもなります。
そのため、10インチバレルでは4インチの位置、20インチバレルでは12インチの位置というように、適切な場所にガスポートを配置する必要があります。
また或いは、ガスの流量を調整可能なガスブロック(レギュレーター)を使用することで適切なガス圧をある程度調整することも可能です。