ホリゾンタル・ショルダー特有? の利点として、グリップ部分が長い、あるいは大型である場合や
ロング・マガジン装着時には通常のホルスターほど目立たず秘匿可能という利点が存在します。近年ではグリップ、
というかマガジンを長くして二十発以上装填可能とか、そういう機種がありますが
そんなものを携行する場合にはヒップホルスターより便利です。例えば最近流行のポケットサイズオートに
ロングマガジンを組み合わせた場合、ポケットに突っ込むのは無理があるしヒップでも通常の組み合わせより
張り出して携行しづらいですが、マガジンの長さを気にせずに携行できるホリゾンタル・ショルダーならあまり関係ありませんので、
ポケットサイズで多弾数を携行……というスタイルを現実的な選択肢に入れることが出来ます。
蛇足ですがヴァーティカルは銃身長を気にせずに携行できる利点がありますね。限度はありますが……。
銃口のプリント問題は「小柄な人が極端に大柄な銃をキャリーする」わけでも無いのならそれほど問題ないです。
私(かなり太いんです……)とベレッタ84などのミッドサイズオートを例にすると銃口こそプリントしないですが
バックストラップの突き出しが若干気になります。これは機種とホルスターの選定・配置次第で改善可能な場合もあります。
どの配置に取り付けるかで扱いやすさと秘匿性は反比例しますが、最も扱いやすい位置は出来るだけ体の正面に近い配置、
時計で言うなら二時方向(右利きは十時方向)です。この配置ですとそれなりの即応性があります。
その代償に秘匿しづらくなりますが……。
目立たない利点としてはシューティングハンドが何らかの理由で動かせない場合など、
緊急措置としてサポートハンド側で抜くことが通常のヒップホルスターと比べて容易というのもあります。
他には車に乗っている場合など、通常のヒップホルスターより快適に過ごすことが出来ます。
ホルスターも他のものと同様「皆これを選んでるからこれが正解」という場合は少なくないですが、
その人のライフスタイル次第では通常扱いづらいと思われるものが最良の選択になりうる場合もあるので、
メリットがないと断ずることは難しいと思います。