バレルの肉厚の差も原因としてありますが、総合的に見ると工作精度に違いがあります。
M16/M4系はAKよりもクオリティーが高く、銃とその弾薬の精度の水準が高いと言えます。(フラットな弾道の小口径高速弾の恩恵もあります)
複数のAKのバレル内部を覗いて見比べてみると、真っ直ぐに見えるバレルでも湾曲したものが含まれていることがあります。
また、高精度なバレルを製造しても弾薬の精度が低ければ命中率が低下しますし、弾薬の相性問題もあります。
例えば、ロシア製AKでロシア製弾薬を使用して高い命中率が出たとしても、ロシア製AKでユーゴ製弾薬を使用すると命中率が低いこともありますが、ユーゴ製AKでユーゴ製弾薬を使用すると高い命中率が出ることもあります。
弾薬そのものの精度の違いもありますが、同じ7.62x39mmでも弾薬は製造国やメーカーによって僅かにサイズが異なっています。
具体的にはフリーボアのサイズやケースサイズが異なっているのですが、弾薬を薬室に装填した際、ケースマウス(薬莢の先端)からライフリングが始まる地点までのスペース(フリーボア)のサイズが国やメーカーによって異なるため、このサイズに適合した弾薬を使用しなければ高い命中率を出せません。AKに限らずライフル全般に言えることですが、高い命中率を出すには銃に適合した相性の良いメーカーやブランドの弾薬を使用する必要があります。
またAKの命中精度が低い原因として木製ハンドガードが挙げられます。
木製のハンドガードやストックは環境の影響(温度や湿度)や外部からの力を受けて伸縮し、その力がバレルに伝わることで命中率が低下します。
バレルに接しないフリーフロートであれば問題ありませんが、AKの場合は力が伝わりやすい構造のため、ハンドガードを強く掴んだ場合と掴まない場合では命中率に差が出やすくなります。(樹脂製の方がマシですが、それでも影響はあります)
もしAKの精度を高めたいのであれば、トリガーをチューンしたり、プレス加工のレシーバーを削り出しに変更、ガスポートを小さくするといった方法もあります。また、フルオート時の命中率の悪さにはロングストロークピストンで質量の大きいボルトキャリアグループを可動させる構造的特徴も影響しています。