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ロシア軍の侵攻でウクライナ軍が使用している銃器

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2022年2月24日、ロシア軍はウクライナに侵攻しました。

現地から発信されている映像や画像を基に確認されている銃器を紹介します。

AKM / AKMS (Fort-201)

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ブラジル、ポルトガル、オランダから加勢した義勇兵が7.62x39mmのAKMS(フォールディングストックモデル)を装備しています。

マガジンはオレンジ色のいわゆる「ベークライトマガジン」ですが、実際にはグラスファイバーが使用されています。

製造コストはアルミマガジンの方が安価ですが、雪に触れることが多い環境を考慮し、ソ連軍は腐食に耐性があり軽量なベークライトマガジンを選択しました。

ソ連軍は1980年代に黒いポリマーマガジンへと交代していますが、現在でもベークライトマガジンが現役で使用されています。

AKMは1959年にソ連軍に採用され、AKMをコピーした中国製56式ライフルはベトナム戦争で大量投入されました。

人体に対する効果は着弾時のタンブリング(弾の横転)により5.45x39mmの方が良好な結果を表すものの、7.62x39mmは木々やドアなどの障害物に対する貫通力が優れ、ベトナムのジャングルでは米軍の脅威となり、この効果は南米でも評価されました。

AK-74 / AKS-74

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キエフで組織されたAK-74を装備する民兵団。

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AK-74 Photo via Wikipedia

AK-74は1974年に設計され、1979年にロシア軍に採用されたアサルトライフルです。

弾薬は5.45x39mmを使用し、サイトは1000mまで対応していますが、最大有効射程は約500~600mです。

ウクライナではソ連時代から採用されており、7.62x39mmを使用するAK-47やAKMよりも命中精度、射程距離、殺傷力が向上しています。

また、銃口に大型マズルブレーキが装着されているのが特徴で、AK-47やAKMの反動の約2/3程度まで低減されています。

ウクライナ軍で使用される主要な小銃弾は5.45x39mmですが、現在でも7.62x39mmを併用している他、将来的なNATO加盟を見越して5.56x45mmNATOも採用しています。

ウクライナはソ連時代からAK-74を大量保有しているため現役で使用しており、ウクライナ市民へも大量のAK-74が配布されています。

しかし、現状ではウクライナ軍はより汎用性の高いAR-15プラットフォームのM4-WAC-47や、UAR-15などへ交替を進めています。

AK-74M

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AK-74Mを装備するウクライナ軍兵士。

AK-74Mはロシア軍とウクライナ軍の双方で採用されています。

1991年、ロシア軍はAK-74を近代化したAK-74Mを採用し、ストックが折り畳めることから狭いBMP等に乗降する機械化歩兵に対して配備されました。

ボルトとボルトキャリアが軽量化されたことで射撃時の反動が軽減され、速射時の命中精度向上に繋がっています。

またストックとハンドガードはグラスファイバーポリマーが使用され、レシーバーカバーが強化されるなど耐久性が向上しています。

今回のウクライナ侵攻ではロシア軍のKa-52ヘリコプターのパイロットがAK-74Mを装備しているのが確認されています。

SIG MCX

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ウクライナ軍特殊部隊ではSIG MCXも使用しています。

5.56x45mmNATOを使用しますが、7.62x39mmや.300AACブラックアウトにも対応します。

MCXシリーズは複数のバリエーションが存在しますが、共通してショートストロークピストンを使用する構造です。

MCXのアッパーレシーバーはAR-15のロアレシーバーと互換性があります。

SIG MCXはフロリダ州ナイトクラブ銃撃事件やラスベガス銃撃事件で使用されたことでも知られており、その際にMCXについて解説する記事を公開しました。

Fort-201 / Fort-202 / Fort-205 / Fort-206

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ウクライナ軍第25独立空挺旅団シチェスラフ旅団が装備するFort-206(AKM)ライフル。

RPC Fort(Research and Production Company Fort of the Ministry of Interior of Ukraine)はウクライナ内務省下の国有ガンメーカーで、ウクライナ軍は複数のFort製銃器を採用しています。

画像のFort-206は本来存在するサイドレイルが外されているためハンドガード側面に穴が空いています。

基本的にスペックはAKMと同様ですが、その多くは伸縮式ストックやレイルシステムが搭載されています。

ウクライナ軍が採用する軍用フルオートAKMには以下があります。

モデル使用弾薬特徴
Fort-2017.62x39mmAKMSのストックを装着したAKMS-MF
Fort-2027.62x39mmサイドフォールディングストック(AKMS-MF)
Fort-2057.62x39mmAKMの木製ストックを装着したAKM-MF
Fort-2067.62x39mmポリマーハンドガードと伸縮式ストック(AKMT-MF)

Fortが製造する民間のセミオートAKMには以下のモデルがあります。

モデル使用弾薬特徴
AKSF7.62x39mmスタンダードAKM(セミオート)
木製ストック
木製ハンドガード
AKMS-MF7.62x39mmメタルサイドフォールディングストックAKM(セミオート)
木製ハンドガード
AKMT-MF7.62x39mm伸縮式ポリマーストック付きAKM(セミオート)
レイル付きポリマーハンドガード

Fort-221 / Fort-222 / Fort-223 / Fort-224

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ウクライナの軍(特殊部隊や国境警備隊)と法執行機関はイスラエルのIWIタボールTAR-21をライセンス生産したFort-221、 Fort-222、Fort-223、 Fort-224を採用しています。

タボールは使用弾薬に5.56x45mmNATOを使用しますが、Fortのライセンス生産モデルでは5.45x39mmを使用します。

モデル使用弾薬特徴
Fort-2215.45x39mmスタンダードモデル
Fort-2225.45x39mmマークスマンモデル
Fort-2235.45x39mmショートモデル
Fort-2249x19mmサブマシンガンモデル
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画像は2018年にキエフで行われた軍事パレードでのFort-223ブルパップライフル。

このほかにもFortはIWIガリルACEをライセンス生産したFort-227、Fort-228、Fort-229の他、SKSカービン(Fort-207)を製造しています。

Malyuk マリューク(Vulkan-M)

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キエフで並べられた70丁のMalyuk(マリューク)ブルパップライフル。

口径バリエーションは5.45x39mm、7.62x39mm、5.56x45mmNATOとなっていますが、この画像のMalyukは7.62x39mmでAKMのマガジンを使用し、「AKMのマガジンが不足しているため使用できない」と説明されています。

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マリュークは「ヴァルカン」や「ヴァルカンM」の名でも知られ、2016年からウクライナ軍特殊部隊などで採用されています。

AK-74をブルパップ化したVepr(ヴェープル)が2003年に開発され、さらにヴェープルを改良しマリュークが開発された経緯があります。

AK-74はセレクターでセイフ、フルオート、セミオートを切り替えますが、マリュークではセミオートとフルオートをセレクターで切り替え、セイフティはトリガー上部のクロスボルトで操作します。

UKROP UAR-10(Zbroyar Z-10)

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ウクライナ兵になりすましたロシア兵から鹵獲したとされるウクライナ製のマリュークやUKROP UAR-10(Zbroyar Z-10)が確認できます。

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Z-10 Photo via UATV

Zbroyar(ズブロイア)は2007年に創設されたウクライナの民間ガンメーカーで、Zbroyarが製造するモデルの軍用版はUKROPが製造しています。

7.62x51mmNATO(.308win)を使用するZ-10は、2018年からドラグノフSVDの代替として「UAR-10」のモデル名でウクライナ軍に採用されています。

外見から分かる通りAR-10と同じ構造ですが、UAR-10には複数のバリエーションが存在し、うちA1~A3はDI方式、A4はショートストロークピストン方式となっています。

ストックはマグプルPRSが付属し、ハンドガードはダニエルディフェンス製ピカティニーレイルシステム、グリップはホーグ製、トリガーメカはセミオートオンリー。

最大有効射程距離は700~800メートル。

命中精度は100ヤードで0.6~0.7MOAとされています。

UKROP UAR-15(Zbroyar Z-15)

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ウクライナの軍や法執行機関で採用されているウクライナ版AR-15がUKROP UAR-15です。

2012年から民間市場でスポーツ用としてZ-15が製造され、2020年からウクライナ国家国境庁(DPSU)やウクライナ国家親衛隊(SBGS)などでZ-15の軍用版であるUAR-15が広く採用されました。

ウクライナ製パーツの他、アメリカのダニエルディフェンス社製トリガーメカやロックリバーアームズ社のパーツで構成され、ウクライナ国内でライセンス生産されています。

ガスシステムはDI方式のミッドレングス(MidLength)、銃身はステンレスバレルで命中精度は2MOAとなっています。

M4-WAC-47

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M4-WAC-47 Photo via Wikipedia

M4-WAC-47はUKROPとアメリカのエアロクラフトにより開発されたウクライナ版AR-15です。

2017年からウクライナ軍で採用され、ウクライナのNATO加盟を見越して5.56x45mmNATO、7.62x39mm、5.45x39mmに対応しています。

ガスシステムはDI方式、口径変更はアッパーレシーバーアッセンブリーの交換だけで完了します。

FN FNC

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ベルギーの支援によって送られた5,000丁のFN FNC(5.56x45mmNATO)がウクライナで使用されています。

FN FNCはベルギー製ですが、最初にFNCを採用したのは1982年のインドネシア空軍でした。

その後、ベルギーを始めとしてアフリカや南米で広く採用されています。

作動方式はロングストロークピストンで、AKとM16の両方の影響をうけている設計です。

ボルトハンドルが通るスリットにはスプリングテンション付きのダストカバーが備わっており、AKより泥や砂の侵入を防ぎやすく、悪環境でも信頼性の高いライフルです。

レミントンACR

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詳細不明ですがレミントンACR(5.56x45mmNATO)がウクライナで確認されています。

マグプル社が設計しブッシュマスター社が民間用セミオートモデルを製造、レミントン社が軍用セミフルモデルを製造しています。

銃身にはクロムメッキが利用されることが多いですが、ACRでは強固なナイトライドが利用されています。

Zbroyar Z-008 GEN III

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サボタージュを行うロシア兵からウクライナ軍が鹵獲したとされるウクライナ製Zbroyar Z-008 GEN IIIです。

画像に映っているマガジンはZ-008のものではなく、他のライフル(AKM?)のものだと思われます。

一見するとAR-10のように見えますが、右側には回転式ボルトハンドルが備わっているボルトアクションライフルです。

発射後も薬室が閉鎖されているためサプレッサー使用時に高い減音効果があります。

Z-008には複数のバリエーションが存在しますが、.308 winを使用するGEN IIIではUAR-10(Z-10)のマガジンと互換性があります。

モデル使用弾薬
Z-008 ハンティング.223 rem
.308 Win
.300 WSN
.300 WM
Z-008 ハンティングプロ.223 rem
.223 WSSM
.243 Win
.300 Win
.308 Win
.300 WSN
.300 WM
6.5-284 ノルマ
6.5x47mm ラプア
Z-008 タクティカル.223 Rem
.223 WSSM
.243 Win
7mm SAUM
7mm WSM
.300 Win
.308 Win
.300 WSN
6.5-284 ノルマ
6.5x47mm ラプア
6.5x55mm
.338ラプアマグナム
Z-008 タクティカルプロ.223 Rem
.223 WSSM
.243 Win
7mm SAUM
7mm WSM
.300 WSN
6.5-284 ノルマ
6.5x47mm ラプア
6.5x55mm
.338ラプアマグナム
Z-008 バーミント.223 Rem
.223 WSSM
.243 Win
6.5x47mm ラプア
7mm SAUM
7mm WSM
.300 Win
.308 Win
.338ラプアマグナム
Z-008 ベンチレスト.22 PPC
6mm PPC
.223 WSSM
6.5-284 ノルマ
7mm SAUM
.338ラプアマグナム
.408 CheyTac
Z-008 GEN III.308 Win

ドラグノフ SVD

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ウクライナ軍のスナイパーはSVDをDMRとして使用しています。

しかし、現在ではUAR-10への交替が進められています。

SVDは1963年からソ連軍に採用されており、ウクライナではソ連時代から運用されています。

作動方式はショートストロークピストンを採用し、セミオートで7.62x54mmRを発射します。

今回のウクライナ侵攻ではロシア軍とウクライナ軍の双方でSVDが確認できます。

画像の女性(Olena Bilozerska)はウクライナで有名な元ジャーナリストの女性スナイパーで、これまでに10人のロシア兵を殺害したとされており、暗視スコープで録画された狙撃時の映像を公開しています。

2014年から戦闘に参加し、使用銃はAKS-74、K98、SVDと移り変わり、現在はUAR-10(Z-10)を使用していると本人がインタビューで語っています。

また、夜間パトロールを担当したことを切っ掛けに現在は暗視スコープを使用した狙撃に特化し、昼に睡眠をとり、夜に戦闘に参加する生活スタイルになっているとのことです。

Fort-301(ガリルスナイパー)

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AKS-74UとFort-301を装備するウクライナ軍兵士。

Fort-301はイスラエルのIWIガリルスナイパー(Galatz)をライセンス生産したウクライナ製スナイパーライフル(DMR)です。

7.62x51mmNATOを使用し、装弾数は25+1発。

アサルトライフルのガリルより肉厚な銃身が使用され、ツーステージトリガーが採用されています。

またサイドフォールディングストックを採用し、バイポッドと6倍スコープが付属します。

1983年に登場したオリジナルのGalatzは木製のストックとハンドガードが付属していましたが、近代化されたモデル「SR-99」ではスケルトンストックとシンセティックハンドガードが付属し、ピカティニーレイルが備わったモデルも存在します。

Fort-301ではサイドレールマウントでスコープを搭載し、シンセティックハンドガードが付属します。

バレットM99

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ジョージア(グルジア)の元国防相であるイラクリー・オクルアシュヴィリを含むジョージアから参戦した部隊。

対物ライフルのバレットM99が確認できます。

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バレットM99 Photo via Barrett

バレットM99は.50BMGを使用するシングルショット・ブルパップボルトアクションライフルです。

1800mの最大有効射程距離を持ち、マッチグレードの弾薬を使用した場合、1,000ヤード(914m)で約10cmのターゲットに命中可能な能力があります。

セミオートのM82やM107と比較すると、M99は「命中精度が高い」「安価」「軽量」といった特徴があります。

モデル使用弾薬作動方式重量装弾数集弾米国市場価格
バレットM99.50BMGボルトアクション10kg1発(薬室内)1MOA4,699ドル
バレットM82A1.50BMG反動利用セミオート14.8kg10+1発2MOA8,799ドル
バレットM107A1.50BMG反動利用セミオート13kg10+1発2MOA12,281ドル

Snipex アリゲーター 14.5x114mm

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Snipexアリゲーターで狙撃するウクライナ軍スナイパー。

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Photo via Wikipedia

Snipexアリゲーターは2020年にウクライナのXADOホールディングが開発し、2021年3月からウクライナ軍に採用されている対物ライフルです。

弾薬はZPUやBTR-80などに搭載されている機関砲で使用される14.5x114mm弾を使用し、2,000mの有効射程距離を持つ長距離射撃に利用されています。

装弾数5発の着脱式ボックスマガジンを使用し、手動のボルトアクションで装填と排莢を行います。

チークレストやストック下部のモノポッドはダイヤルで高さを調節可能となっています。

マズルエナジーを比較すると、.50BMGを使用するバレットM99では11,500~14,000ft-lbf程度になりますが、14.5x114mmでは24,000ft-lbfに達する非常に強力なパワーを持ちます。

しかし、重量10~15kgの.50口径バレットライフルと比較すると、アリゲーターは重量25kgという重量級で、携帯しやすいライフルとはいえません。

Fort-401

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ロシア軍が鹵獲したウクライナ製Fort-401ライトマシンガン。

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IWI Negev Photo via Wikipedia

Fort-401はイスラエルのIWIネゲフをライセンス生産したライトマシンガンで、ウクライナ軍特殊部隊に採用されています。

口径バリエーションに5.56x45mmNATOモデルと7.62x51mmNATOモデルが存在します。

Mayak KM-7.62(PKM)

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ロシア軍の輸送車の前に立つPKMとマリュークを装備したウクライナ軍特殊部隊兵士。

PKMはロシア軍とウクライナ軍の双方で使用されているGPMG(汎用機関銃)です。

PKはロシア語で「カラシニコフマシンガン」を意味し、1961年に開発されたPKを近代化したPKMが1969年に開発されました。

弾薬は7.62x54mmRを使用し、ガス作動のオープンボルト式(ロングストロークピストン)マシンガンです。

プレス加工のレシーバーとラミネート木製ストックで構成され、容易に銃身交換が可能です。

西側諸国の一般的なベルト給弾マシンガンとは異なり、リムドカートリッジを使用するためベルトリンクから後方へ引き抜いて装填する構造や、右側から給弾し左側へ排莢する構造が特徴的です。

PKMマシンガンは約1,000~1,500mの有効射程距離を持ち、ロシアの他、アフリカ、中東、東南アジアなど、あらゆる戦場で使用されています。

モデル使用弾薬全長銃身長重量発射速度
PKM7.62x54mmR1173 mm25.9インチ8.4 kg毎分650-720発
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KM-7.62 Photo via spetstechnoexport.com

ウクライナ軍ではPKMに改良を加えたマヤーク(Mayak)KM-7.62を2016年から採用しており、ポリマーストックを採用するなど一部材質の変さらによりPKMより1.5kg軽量化されています。

また、このほか車両搭載用の機銃バリエーションにKT-7.62(ロシア製PKTのコピー)が存在します。

M240B

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アメリカの支援により送られたM240Bマシンガンが確認されています。

ドイツのMG42マシンガンを参考に1950年代にFN MAGが開発され、米軍では1977年からFN MAGをM240として採用しています。

M1戦車の同軸機銃として採用されたM240は作動の信頼性が高く、時代と共に改良が続けられGPMG(汎用機関銃)として複数のバリエーションが存在します。

1994年の米陸軍によるテストの結果、M240E4はM60E4より優れると判断され、1997年5月にM240E4はM240Bとして採用されました。

モデル使用弾薬全長銃身長重量発射速度
M240B7.62mmNATO1232 mm21.7インチ12.29 kg毎分750-950発
M240E67.62mmNATO1232 mm21.7インチ10.72 kg毎分750-950発
M240C7.62mmNATO1046 mm24.7インチ10.07 kg毎分750-950発
M240D7.62mmNATO1046 mm21.7インチ11.66 kg毎分750-950発
M240G7.62mmNATO1219 mm23.7インチ11.61 kg毎分750-950発
Mk48 Mod 07.62mmNATO1010 mm19.75インチ8.39 kg毎分675発

DP-27 (DP-28)

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ソ連のヴァシーリー・デグチャレフによって開発されたDP-27マシンガンがウクライナ軍で使用されています。

1927年、ソ連軍のトライアルで採用が決定し、1928年からソ連軍制式ライトマシンガンとして採用後第二次世界大戦で使用され、日中戦争では中華民国が使用しました。

また、ベトナム戦争ではベトコンが使用し、アフガニスタンではタリバンが使用しています。

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弾薬は7.62x54mmRを使用し、800mの有効射程距離があります。

発射速度は毎分550発。

私がアメリカのマシンガンショーに参加した際に実射の様子を見学したことがあるのですが、現代のライトマシンガンと比較すると発射速度の遅さが目立つ印象がありました。

しかし、7.62x54mmRのフルオートはパワフルで現代の戦場でも通用するポテンシャルがあります。

銃身交換はレシーバー側面のボタンを押しながら銃身を回転させることで銃身を引き抜くことが可能で、オーバーヒート時でも予備の銃身を用意することで連続射撃を継続可能です。

(素手で銃身に触れると火傷するため銃身交換には耐熱グローブが必須です)

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DP-27は47発装填される円盤状のマガジンがレシーバー上部に配置されています。

また、ストック内部にはブラシ付きメンテナンス用オイルボトルが収納されています。

パーツ点数が少なくシンプルな構造のため製造コストが低く抑えられ、メンテナンス性も高い特徴があります。

構造的に興味深いのはフラッパーロッキングを採用している点で、メインスプリングと接続されたファイアリングピンが前進するとボルトの左右に配置されたフラッパー(ロッキングブロック)が展開することで薬室を閉鎖し、発射時のガス圧でオペレーティングロッドを後退させファイアリングピンが後退すると同時にボルトキャリアがフラッパーのロックを解除し薬室を開放、排莢します。

1920年代のマシンガンとはいえ、非常に熟慮し設計されたシンプルな構造に関心させられます。

PPSh-41

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2022年の光景とは思えないキューベルワーゲンとPPSh-41サブマシンガンの組み合わせです。

ウクライナ兵とロシア兵(ドネツクの分離独立派)の双方でPPSh-41が使用されているのが確認されています。

PPSh-41は1941年にソ連のゲオルギー・シュパーギンによって開発された7.62x25mmトカレフ弾を使用するサブマシンガンです。

トリガーガード内にセミオートとフルオートを切り替えるセレクターが配置され、オープンボルト方式で作動します。

スタイルが類似するスウェーデンのSuomi KP/-31サブマシンガンのコピーだと誤解されがちですが、どちらも構造が異なりコピーではありません。

しかし、PPSh-41で採用された71連ドラムマガジンはSuomi KP/-31のドラムマガジンをコピーしています。

ソ連ではヴァシーリー・デグチャレフによって開発されたPPD-40サブマシンガンが1935年から使用されたものの、製造に時間を要する構造であったため製造が容易なPPSh-41に置き換わり、約600万丁が製造されました。

PPSh-41は第二次世界大戦で使用された他、朝鮮戦争で使用され北朝鮮軍も採用しています。

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PPSh-41 Photo via Wikipedia

PPSh-41はプレス加工の製造しやすい設計ですが、ドラムマガジンは製造に時間を要するため不足しました。

そのため製造が容易な35連ボックスマガジンも製造され併用されています。

その他の銃

今回のロシア軍によるウクライナ侵攻では多種多様な銃器が使用されています。

それらすべてを解説すると長くなるため、今回ご紹介できなかった銃器を以下に掲載します。

※ウクライナ軍側(義勇兵や予備役兵を含む)で使用が確認されているモデルです。

サブマシンガン

ライフル

スナイパーライフル

マシンガン

以上、ウクライナ軍側で使用されている銃器を紹介しました。