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射撃場の利用方法と安全ルール

射撃場の利用方法と安全ルール

初めて実弾射撃に挑戦する方へ射撃場の利用方法と安全ルールについて紹介します。

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シューティング・レンジ(射撃場)にはインドア・レンジ(屋内射撃場)アウトドア・レンジ(屋外射撃場)があります。

インドアは上の画像のように隣との間に仕切り板があり、銃や弾を置くためのテーブルが用意されているのが一般的です。

仕切り板は、隣で射撃している人に薬莢が当たるのを防ぐためにあると便利ですが、アウトドア・レンジで仕切り板があるところは比較的少なく、用意されているところは設備の良いレンジといえます。

では、インドア・レンジとアウトドア・レンジ、どちらを利用するのが良いか?
それぞれ一長一短があります。

 

 

インドアレンジの長所

  • 一年を通して快適な室温。
  • ターゲット・リトリーバル・システム(自動的にターゲットを回収する装置)が備わっているところが多いので、スイッチ操作だけでターゲットの設置と回収ができます。
  • ファイアリング・ライン(射撃する位置)から前に出なくて良いので安全。
  • 仕切り板がある場合は、高温の薬莢を隣の射手に当てる心配がない。
  • レンジマスター(射撃場管理人)による射撃中止命令が出ることが滅多に無いので、継続して射撃を楽しめる。(ターゲットを回収しに前に出る必要がないため)

 

インドアレンジの短所

  • 空気が悪い。米国ではレンジ内の換気システムは法律により厳しく管理されていますが、目に見えない火薬や鉛のカスが空気中を漂っています。すぐに健康を害するレベルではないものの、気になる場合は注意すると良いでしょう。無害なインドア・レンジ専用弾も存在しますが、この弾の使用を義務付けているレンジを私は知りません。
    2009年に韓国のインドア・レンジで発生した火災死亡事故は、不十分な換気システムと、掃除を怠ったことにより溜まった火薬カスが原因となりました。床がススで汚れているレンジは避けた方が良いでしょう。健全なレンジはモップで水拭きされています。
  • 人によっては衝撃波が辛い。屋内であるため射撃時の音と衝撃波が反響し、酷い場合は身体に常にパンチを浴びせられているような感覚があります。慣れない人は気分が悪くなることもあるようです。
  • ターゲットまでの距離が短め。100ヤード以上の距離がある設備は稀なので、ライフル射撃を楽しめるところは少ないでしょう。
  • 設備によってはマグナム弾やライフル弾の使用が不許可。壁を貫通すると危険なので、強力な弾を使用できないところがあります。
  • マズルローダー不可。火縄銃やフリントロック銃など、無煙火薬を使用しない煙を大量発生させる銃は使用が制限されがちです。

 

アウトドアレンジの長所

  • 空気が新鮮。硝煙の臭いが充満しないので、インドアより衣服に臭いが残りづらいといえます。
  • 銃声や衝撃波が反響しづらい。耳を守るイヤー・プロテクターは必要ですが、インドア・レンジほど身体に衝撃波を受けません。
  • 隣との仕切り板が無いレンジが多いので圧迫感が少ない。広くて開放感がある。
  • 殆どのレンジで強力なマグナム弾やライフル弾を撃てる。
  • 煙が大量に出るマズルローダーが許可されることが多い。
  • レンジによっては100ヤード以上のライフル・レンジが完備されている。
  • レンジによっては紙のターゲット以外の物(ジュース缶や爆発物など)も撃てる。

 

アウトドアレンジの短所

  • 夏は暑く、冬は寒い。海外は気候が厳しい地域が多いのでご注意下さい。
  • ターゲットを自分で貼り替える必要がある。ターゲットまで遠いと、何度も往復してかなり歩くことになります。
  • ターゲットを貼り替えたり結果をチェックするために定期的な射撃中止命令がある。継続して好きなだけ撃てないことがあります。私が通っていたレンジでは20分間隔で中断され、利用者が少ないときは利用者同士が「そろそろターッゲットをチェックしたいんだけど、良い?」と相談して時間を決めていました。

 

個人的には、実弾射撃が初体験の方は、アウトドア・レンジの方がオススメです。インドア・レンジを体験するのは、音と衝撃に慣れていないと本当は楽しい射撃がネガティブな想い出となるかもしれません。私は人生初の実弾射撃がインドア・レンジで、使用した銃は強力なM14ライフルやフルオートのH&K MP5Kでしたが、元々マニアなので気になりませんでした。もし銃に興味が無かったら、肩と手は痛いし音が五月蝿いし・・・と、嫌になったかもしれません。

 

安全ルール

銃を扱うさいは、次のルールを必ず守ってください。

 

  • 銃口は常に安全な方向へ向ける。
  • 撃つ瞬間までトリガー・ガードの中に指を入れない。
  • 常に弾が装填されているものとして扱う。

 

どんな理由で銃に欠陥があろうとも、事故を起こせば全て射手の責任です。

以上のルールを守っていれば、最低でも他人に怪我をさせることはありません。

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私が通っていたアウトドア・レンジには、このように赤い線と黄色い線がペイントされていました。

赤い線からターゲット側は、射手だけが入って良い「射撃ゾーン」です。

20分間の射撃タイムがあり、時間が来るとブザーが鳴って「シース・ファイヤリング(射撃中止)」のアナウンスが流れます。

射撃中止時間内は射撃ゾーンが立入禁止となり、銃から弾を抜いてテーブルの上に置き、黄色の線の外側に移動するルールとなっています。

この時間帯はテーブルの上に置かれた物に触れることを許されません。

 

ターゲットエリア 射撃ゾーン 通路 待機ゾーン
射撃中 立入禁止 射手のみ立入可 付添い人待機
射撃中止号令 立入禁止 銃から弾を抜く レンジマスターが確認 全員ここで待機
射撃中止 安全確認後立入可 立入禁止 付添い人待機

 

利用者全員が黄色い線の内側に移動したら、レンジマスターが台の上に置かれた銃が撃てない状態になっていることを確認し、「チェック・ザ・ターゲット(ターゲットを確認しに行って良い)」のアナウンスを流します。

そしてやっと利用者がファイアリング・ラインの前に出ることが許されてターゲットの確認や貼り替えができます。

シューティング・レンジによって多少ルールが異なりますが、いずれにせよ現場のレンジマスターの指示に従ってください。

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銃を撃たないときは、このようにテーブルの上に銃を置きます。このとき重要なのは以下の点です。

  • 銃口をターゲットの方向へ向ける。
  • 銃から全ての弾を抜く。
  • リボルバーはシリンダーをオープンにする。
  • ピストルはマガジンを抜き、スライドを引いてホールド・オープン状態にする。

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  • ライフルはボルトを引いた状態にする。
  • ショットガンはフォアエンドを引いた状態にする。

エジェクション・ポート(薬莢が排莢される穴)が開いており、チャンバー(薬室)の中が空になっていることに注意してください。

 

 

その他の注意点

 

  • 目を守るためにシューティング・グラスかサングラスを着用してください。弾だけではなく、火薬のカスや弾頭の削りカスがマズルブラストと共に銃から放出されます。また、銃のガンオイルが飛び散ることもあるので注意しましょう。
  • 耳を守るためにイヤー・プロテクターを着用してください。(銃をレンタルしているレンジでは大抵用意されています。)
  • 火傷に注意。バレル(銃身)やチャンバー(薬室)、またはその周辺のパーツに触れないでください。バレルとチャンバーは直ぐに熱くなります。撃ち続けるとやがてスライドやフレームにも熱が伝わり、特に銃口周辺は要注意です。できるだけグリップを持つようにしましょう。映画のように、スライドを握って人に手渡す方法は火傷の危険があります。
  • 排莢後の薬莢に注意。排莢したばかりの薬莢はチンチンに加熱されています。首元の広く開いた服装だと薬莢が胸元に入りやすいので、服装に注意してください。また、シューティング・グラスやサングラスを着用している場合は、シューティング・グラスと頬の間に薬莢が飛び込むことがあります。どうしても隙間が生じる場合は、つばのある帽子を被ることで防げます。
  • 落ちている薬莢に注意。踏むと滑るので転倒に注意してください。シューティング・レンジには幅広のデッキブラシがあるので散らかっている場合は掃除可能ですが、大抵の場合はレンジマスターが掃除してくれるハズです。
  • 連射注意。「バンバンバン」と速いテンポの射撃を禁止しているレンジが多いので注意してください。二秒に一発のペースであれば注意されませんが、連射したい場合はレンジマスターに問い合わせましょう。
  • お一人様禁止。できるだけ複数人で行きましょう。銃をレンタルしているレンジは、自殺防止のため一人での射撃を断ることがあります。

 

以上の注意点は私自身が体験済の失敗であり、色々と痛い思いをしたので自戒を込めてまとめました。

次は銃の撃ち方についてまとめる予定です。

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