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女性の安全を守るために、インドの銃器メーカーがリボルバーを発表

インドではレイプ事件が頻発し社会問題化しており、邦人女性も複数回被害に遭うなど、インドだけではなく国際的にも関心を集めています。

一部メディアからは「レイプ大国」とまで表現されるインドですが、今月2日、インドの銃器メーカー「イシャポア・ライフル・ファクトリー」は、レイプ事件をストップさせる目的として、女性用軽量リボルバー「Nidar(ニダー)」を発表しました。

ニダー・リボルバー

Photo via Newzstreet TV
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今回発表されたニダー・リボルバーは.22口径で装弾数8発、銃身長40.3mm、全長5.5インチ(約140mm)。

重量8.8オンス(約250g)と軽量で、「インド史上最軽量リボルバー」と宣伝されています。

Photo via bbc.com
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材質はDTD5124アルミ合金を使用し、トリガーはシングル/ダブルアクションを採用。

価格は35,000インドルピー(約59,000円)と、S&Wの同水準リボルバーと同等の価格設定です。

市場投入初日から既に100丁のオーダーを得ており、今年中に1万丁製造することを見込んでいます。

ニルビーク・リボルバー

Photo via Newzstreet TV
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2014年にはインドのカーンプルを本拠地とする銃器メーカー「FGK(Field Gun Factory, Kanpur)」社が「Nirbheek(ニルビーク)」というモデル名の.32口径リボルバーを発表しています。

このモデルも女性をレイプ被害から守るという目的から製造されたリボルバーでした。

Photo via bbc.com
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トップブレイク方式を採用した装弾数6発のダブルアクション・リボルバーで、使用弾薬は.32S&Wロング。どことなくエンフィールド・リボルバーを彷彿とさせます。

重量は18オンス(約510g)で、材質はチタン合金。

価格はなんと122,360インドルピー(約206,000円)と非常に高価です。

ニダーが登場した今、ニルビークの価格は下がるのでしょうか?

それにしても、現代にトップブレイク・リボルバーを登場させるのは、復刻版ではない限り珍しいでしょう。

また使用弾薬は.32S&Wロングという、どちらかといえばマイナーな弾薬を使用されており、これもインドの銃規制が関係していると考えられます。

インドの銃規制

インドでは銃器の製造販売、輸出入、所持等が規制されており、合法所持にはライセンスが必要です。

しかし、所持できる弾薬に規制があるため選択肢は限られており、.380ACP、7.62mm、9mmといった護身用でポピュラーな弾薬を所持できません。

ニルビーク・リボルバーが.32S&Wロングという一般的にはマイナーな弾薬を使用しているのも、こういった銃規制が背景にあります。

レイプ事件が多発するインドですが、レイプ被害から逃れるために銃を使用して正当防衛が認められる可能性はあるものの、インドのオフィスや映画館といった公共施設には金属探知機が設置されており、ライセンスを取得したとしても銃を常に持ち歩ける環境ではないようです。

また、銃規制推進派の圧力もあり論争が予想されます。

今後インドの銃規制が緩和されるか注目されるでしょう。

Nidar(ニダー)とNirbheek(ニルビーク)はヒンディー語の同義語で「Fearless(恐れない/恐れを知らない)」を意味し、2012年12月にデリーのバス内でレイプ殺人被害に遭った女性にインドのマスコミが名付けたニックネームに由来します。

将来的にインドで銃をコンシールドキャリーする女性が増加する可能性がありますが、効果的に使用するには単に所持するだけでなく、実際の使用を想定したトレーニングが必要でしょう。

インド社会がレイプ問題に注目している今なら、法改正やトレーニング環境整備を進められるチャンスがあるのではないでしょうか。

Nidar_ India launches ‘lightest gun’ weighing 250g – BBC News
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-35504566

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