AR15のプラットフォームで.50BMGを発射可能なライフルを軍が要求し、それが優先的な目標であればメーカーもその要求に応えることは技術的に可能ですが、現実はそうではありません。
ですが、作動の信頼性、耐久性、メンテナンス性、速射性、命中精度、コスト、メーカーの生産能力など、諸々の問題をクリアし軍の要求を満たす内容であればAR15系の.50BMGライフルが採用される可能性はあると思われます。
バレットが優秀な.50BMGライフルである理由の1つに作動方式にショートリコイルを採用している点があります。
ショートリコイルは反動を軽減する効果があり、これにより複数のターゲットに対応する場合など連続射撃が容易になります。
AR15のように固定銃身で.50BMGを発射する場合、命中精度向上には良い効果があるものの、反動が大きくなるという問題があります。
.50BMGで固定銃身を採用するサーブBFG-50Aでは、この問題を解決するためにマズルブレーキと油圧ダンパーによって反動を軽減していますが、このシステムはショートリコイルのライフルでも利用可能です。
理想的なライフルは反動と重量が軽いことですが、銃は重量が軽くなれば反動が強くなるため、ある意味矛盾します。
その意味でもバレットや中国のQBU-10のように、ショートリコイルやマズルブレーキを組み合わせるのはセミオートの大口径ライフルにおいて大きなアドバンテージになります。