一見すると銃創には見えない状態になることがあります。
エアガンで紙を撃つと、丸い穴が空かずに「X」や「Y」の様な形状で紙が破れることがありますが、銃創も皮膚が裂けるようにして、このような状態になることがあります。(特に、手の平、足の甲、肘などで多い)
着弾時に弾頭は瞬間的に細胞組織を放射状に押し広げますが、避けた皮膚はそのままで伸縮する脂肪や筋肉が元の位置に戻り、穴を塞ぐことがあります。
この場合、永久空洞が外から確認できず、皮膚が部分的に剥がれているように見えます。
弾頭の種類や弾速にもよりますが、低速で小口径の拳銃弾で起こりやすい傾向があります。
頭部に対しては、銃口が髪の毛に近いと燃焼ガスによって毛が部分的に燃えるため銃によるものと判別しやすくなりますが、離れた場所から発射された場合に発見しにくいことがあるようです。
低速で軽量な弾頭は体を貫通しないこと(盲管銃創)も多いため、射出口がないことも発見しにくくなる原因にもなっていますが、もし日本で検死により事件性が疑われて司法解剖になれば見落とされることは殆どないと思われます。
特にレントゲンやCT撮影することになれば、弾頭や骨の破片などから明確に発見可能です。