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狙撃手との距離の求め方について

  • このトピックには5件の返信、2人の参加者があり、最後にポルポルにより4年、 10ヶ月前に更新されました。
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  • 投稿者
    投稿
  • #70188
    とっつき
    ゲスト

    ザ・ウォールという映画にて、主人公(観測手)がカウンタースナイプのため敵狙撃手との距離を計算するというシーンで、「味方に着弾してから銃声が聞こえるまでの時間」を「スリーカウントだ(うろ覚え)」と1秒とは異なる(ように見える)カウントをしていました(敵の使う銃弾の種類と敵の方角だけは判明している状態)。これはどのような計算で彼我の距離を求めたのでしょうか?

    また、自身で調べたところ、狙撃手が目標との距離を求める公式などはいくつも見つかるのですが、狙撃される側が狙撃手との彼我の距離を求める際の方法と言うのが、どれもマズルフラッシュが見えてから銃声が聞こえるまでの時間を元に計算する方法しか見つからず、そのどれもが狙撃手の位置が分かったうえでの、さらにゲームのテクニックに関するものばかりです。
    上記の映画のような、敵の位置が分からない場合に敵狙撃手の位置や距離を導き出す方法はどのようなものがあるのでしょうか?

    #70203
    ポルポル
    キーマスター

    狙撃手までの距離を測る方法は、いわゆる「クラック・サンプ法(Crack Thump Method)」が利用されます。

    銃撃を受けた際、音速を超える弾によってソニックブームが発生することで頭上等を弾が通過した際にパチッという弾けるような音が聞こえ、少し遅れてパンという銃声が聞こえます。この通過時の音(着弾)と銃声の時間差を測ると距離が分かります。

    予め使用された弾薬が分かっていれば弾道計算機で計算できますが、実際には使用されている弾薬の種類を判断するのは困難な場合が多く、現場で計算している時間があるかも分からないため、通常は狙撃手が所持している、弾速、飛翔時間、時間差などの弾道データが書き込まれたカード(レンジカード)を見ておおよその距離を割り出します。

    米軍のスナイパートレーニングの教本では、時間差が1秒で距離600ヤード、0.5秒で300ヤードとされていますが、使用する弾薬によって異なるため、必ずしも正確とはいえません。

    何故なら弾速差によって時間差が異なるうえ、音速の2倍以上で飛ぶ弾も発射直後から減速を始めることで距離が離れるほど弾に銃声が追いつき、ある一定の距離に達すると着弾と銃声が同着になります。そして、それを超えると今度は逆に着弾よりも銃声の方が早く到達します。

    例えば7.62x39mmの場合、距離600メートルでは着弾から0.5秒遅れて銃声が届き、1200メートルでは銃声と着弾が同時になりますが、これ以降の距離では銃声の方が先に届きます。(およそ500~600メートルで弾速は超音速から亜音速になります)

    一方7.62x51mmNATOの場合、距離600メートルでは着弾から1秒遅れて銃声が届き、1200メートルでは着弾から0.9秒後に銃声が届きます。(およそ900~1000メートルで弾速は超音速から亜音速になります)

    しかし、時間差で距離を割り出す方法は開けた場所で有効なものの、連続的に複数発発射された場合や、建造物が多い場所では音が反響するため正確な距離を判断しにくくなります。

    狙撃手の方角を割り出す方法は、一般的には着弾時の土埃の飛び方や方向、弾痕の状態などからおおよその方向を判断できます。(耳で判断できる場合もあります)

    または三角測量を利用して二か所で観測して距離を割り出し、地図上に距離分の半径の円を描いて二つの円が交差する場所が狙撃手の場所と推測できますが、その前に距離が分かれば狙撃手が潜んでいそうな場所を絞りやすくなりますし、続けて銃撃を受けた場合はマズルフラッシュやマズルブラストによる埃などから場所を特定することも可能です。(良く訓練された狙撃手はこういったことを理解しているため、より発見が困難になります)

    また余談ですが、アフガニスタンでは米軍が通称「ブーメラン」や「PILAR」といった狙撃手探知システムを利用していました。

    これは複数のマイクによって銃声の時間差を計測し、距離と方角、狙撃手の場所を地図上に示す機能があり、車載や基地に据え置いて運用されていました。

    #70260
    ヤノシン
    ゲスト

    着弾からスリーカウント(3秒)から音速は、360m/sなので敵のスナイパーは、1キロ以上遠方から狙撃している事が判ります。雷が光ってから、音がするまでの時間で、雷雲がどの辺にあるか判るのと同じですね。

    #70264
    ポルポル
    キーマスター

    >雷が光ってから、音がするまでの時間で、雷雲がどの辺にあるか判るのと同じですね。

    マズルフラッシュを見た瞬間からカウントした場合は同じですが、着弾時からカウントする場合は着弾した時点で時間が経過していますし、距離によって弾速が異なるため同じではありません。

    #70270
    ヤノシン
    ゲスト

    着弾してから、3秒後に、音が聞こえたと言う事は、超音速弾を1km以上先から正確に撃ち込んで来ている事を意味します。通常装備(M700等射程800m)では、歯が立たないから、一度引き上げて、バーレットでも持って来ないと。3秒には、そう言う意味があります。

    #70281
    ポルポル
    キーマスター

    >着弾してから、3秒後に、音が聞こえたと言う事は、超音速弾を1km以上先から正確に撃ち込んで来ている事を意味します。

    250グレインの.338ラプアマグナムでも1km進むのに約1.5秒掛かり、1km地点では着弾から銃声が聞こえるまでの時間差は約1.5秒になるわけですが、もし時間差が3秒だと1kmをほぼ一瞬で到達できる弾ということになり、かなりの超音速弾だと思います。

    因みにバレットライフル(.50BMG)は1km地点での時間差が約1.3秒になります。

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