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トライガンのリボルバーは製造可能?

銃の画像
Photo via www.imfdb.org

ご質問を頂きました。

Q
初めまして。非常にオタクな質問で恐縮なのですが、以前こちらで「ソードカトラスは作れるか?」というトピックを拝見しました。
自分は「トライガン」という作品が好きで主人公が使用するブレイクオープンタイプのダブルアクションリボルバーに憧れがあるのですが、おそらくベースになりそうな銃もないこういった完全オリジナルの銃でもガンスミスへの特注で製造は可能なのでしょうか?
また、メーカー製造でないワンオフモデルの銃は登録可能なのでしょうか?
可能な場合、オリジナル銃や特殊なカスタム銃(ソードカトラスのような)の登録では市販の銃と手続きに違いなどはあるのでしょうか?
ご回答いただければ幸いです。
A

作中の銃の構造はトップブレイク・リボルバーですが、外観を実銃で再現するのは技術的に問題ないと思われます。

トライガンのリボルバーは製造可能?

銃の画像
キアッパ・ライノ Photo via gunsumerreports.com

銃身位置がシリンダーの下側に位置するのも、撃発構造をキアッパ・ライノのようにエクスターナルハンマーとインターナルハンマーに分ければ、一般的なダブルアクションリボルバーと変わらない外観や操作を再現できると考えられます。

(作中の銃は銃身上部にアクチュエーター?を装備していますが、当然ながらこの部分は再現不可能です)

ただし、外観を損ねないように忠実に再現すると、銃身とシリンダーを固定するロッキングラグの強度が弱くなる可能性があります。

銃の画像
Photo via collectorsfirearms.com

ブレイクオープン・リボルバーは、発射時にロッキングラグに大きな力が加わる構造的問題から強力な弾薬を使用できません。そのため、発生する圧力の弱い弾薬の使用に限られます。

もし強力な弾薬を使用したい場合は、ロッキングラグを強化するか、あるいは銃身はライフリングを使用しないスムースボアとし、スラグ弾等を発射すると銃に負担を掛けずにパワーを得られます。
(この場合、命中精度は低下します)

ガンスミスに特注する場合、作業の内容を考慮すると個人経営のガンスミスでは難しいため、恐らく設備の整ったカスタムメーカーに発注するのが現実的でしょう。

一般的にガンスミスにはそれぞれ専門分野を持っている技術者が多く、1911専門、リボルバー専門、ストック専門・・・など、専門分野が異なり、ガンスミス探しに苦労する場合もあります。

価格は何とも言えませんが、ほとんどのパーツがカスタムメイドとなれば、数十万円から百万円越えは覚悟した方が良いかもしれませんし、納期も1年以上掛かるかもしれません。

今回のご質問のような例はほとんど耳にしないため、相場が不明です。

登録可能?

Q
メーカー製造でないワンオフモデルの銃は登録可能なのでしょうか?
A

登録可能です。

アメリカの連邦法上、マシンガンや特定の銃器を除き、自作の銃を登録する必要はありません。

もし製造した銃を誰かに売ったり譲渡する場合は、製造ライセンスとシリアルナンバーの打刻が必要となり、州によっては登録が必要です。

ハワイ州、カリフォルニア州、コネチカット州、メリーランド州、ミシガン州などではハンドガンの登録が必要ですが、それぞれの州で例外事項があるため、実際に製造する場合はその州の州法をあらかじめ調べておくことをお勧めします。

ガンスミスやカスタムメーカーに依頼する場合は自作の銃とは異なるため、州によっては登録が必要です。

手続きの違いはある?

Q
オリジナル銃や特殊なカスタム銃(ソードカトラスのような)の登録では市販の銃と手続きに違いなどはあるのでしょうか?
A

アメリカの法律では銃の形態によってカテゴリーが異なりますが、ブレイクオープン・リボルバーやソードカトラス(ピストル)は市販されているハンドガンと同じ扱いとなるため、手続きは変わりません。

銃の画像
Photo via atf.gov

ですが、先述の通りリボルバーを「ライフリングを使用しないスムースボア」とする場合は、ペンガンやナイフガンと同じ扱いとなるため、法律上のAOW(Any Other Weapon / その他の銃)のカテゴリーに分類されます。

AOWの銃を製造するにはライセンスが必要となり、売買や譲渡には登録と5ドルの納税が必要です。