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ピストルのスライドを引く方法

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Photo via Alien Gear Holsters

基本的なスライドを引き方について解説します。

スリングショット(ヨーロピアンスタイル)

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右利きの射手が左手の親指と人差し指でスライドを引くこの動作は、「スリングショット」と呼ばれ、俗に「ヨーロピアンスタイル」とも呼ばれます。

一般的に「スライドを引く」と言いますが、効果的な方法は「引きながら押す」です。

右利きの場合、グリップを握る右手を前方に向かって押しながら、同時に左手でスライドを後ろへ引きます。

この交差する筋肉の使い方が出来ずスライド操作に苦労する初心者の方が多いのですが、正しく引くことができれば強い力を必要としません。

「スリングショット」は安全で銃口方向を管理しやすく、セレーション(スライド上に刻まれた滑り止め用の溝)の面積が小さいコンパクトピストルでもスライドを引きやすいというメリットがあります。

ベレッタ92FSのようにスライド上にセイフティーレバーが配置されているピストルではレバーを誤作動させてしまうことがあり注意が必要ですが、この場合はレバーに力を加えないように、スライドを左右からつかむことを意識してください。

また、スライドを最後まで引ききった時点で手を離し、スプリングの反発力でスライドを勢いよく前進させてください。

もしスライドを手動でゆっくり前進させてしまうと閉鎖不良となり、トリガーを引いても発射できないことがあります。

オーバーハンド(アメリカンスタイル)

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アメリカで最もポピュラーなスライドの引き方と言えるのが、手の平をスライドの上から覆いかぶせるようにしてスライドを掴む「オーバーハンド」です。

スリングショットでは銃を横に倒しながらスライドを引かれることが多いですが、オーバーハンドでは銃を立てたままスライドを引きやすいのが特徴です。

射撃中に発生したジャムを排除したり、マガジン交換時に銃口をターゲットに向けたまま素早いスライド操作で完了し射撃スピードを向上させるメリットがあります。

しかし一方で、小指が薬室に触れやすく、熱した薬室で火傷を負うリスクがあります。

慣れてしまえば問題ではありませんが、全くの射撃初心者の方はスリングショットから始めるのがお勧めです。

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銃のリコイルスプリングが強すぎて引きにくい場合は、銃を自分の身体に引き寄せた状態で左手(サポートハンド)を銃口方向側からつかむと楽に引けます。

この動作は腕の筋肉を必要とせず、代わりに胸筋を利用してスライドを引きます。

銃が身体から離れていると力が入らないため、出来るだけ身体に近い位置で行うのがコツです。

デメリットは自分の身体に対して横方向へ銃口が向くという点で、隣の人に銃口を向けてしまうことがあります。

これを避けるために、この引き方を実践する場合はターゲットに対して身体を横に向け、常に銃口がターゲット方向へ向くように注意します。

フォワード・コッキング・セレーション

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最近ではスライドの先端部にセレーションが刻まれたピストルも多くなりました。

私が所有していた実銃のキンバー1911にもフォワード・コッキング・セレーションがありましたが、殆ど利用したことがありませんでした。

ただし、プレスチェック(スライドを少し押し下げて薬室内に弾が装填されているか確認する)には有効で、サポートハンドで銃の下側から掴んでスライドを少し引き下げることが可能です。

また、小型のピストル用ダットサイトを搭載している場合など、後部のセレーションが使用し難い場合にも有効です。

フォワード・コッキング・セレーションについては仕事で銃を使用するプロの間でも様々な意見があり、「ホルスターからドロウする際に抵抗となる」など、否定的な意見もあります。

おすすめできない危険な引き方

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最後にフォワードコッキングの危険な例をご紹介したいと思います。

この図のように、スライドの上から先端を掴むとグリップした手が支点となり、銃口が上を向きやすくなります。

これは銃口が自分の顔に向かうリスクがあり、避けた方が無難です。

また、サポートハンドがエジェクションポートの銃身に触れやすいため火傷にも要注意です。

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身体に引き寄せて引く場合、このような格好になります。

基本的に銃口付近に手を近づけるのは危険なため、お勧めしません。

またマガジンを何本も速射で消費するとスライド先端側から熱くなるため、火傷にも注意が必要です。

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