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銃は空撃ちをしない方が良い?:ドライファイアしても良い場合と悪い場合

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銃は空撃ちしても良いのでしょうか?

この問題について解説します。

空撃ち(ドライファイア)は銃に悪い?

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グロック19 Photo via us.glock.com

弾薬を装填しない状態でトリガーを引き、ストライカーやハンマーを可動させて「バチン!バチン!」と空撃ちするのは銃を傷めることになるのでしょうか?

正解は、銃のモデルによって異なります。

空撃ちOKな銃とNGな銃があります。

特に近年の軍用ピストルは空撃ちしても銃を傷める心配はほとんどありません。

空撃ちはトリガーを引くトレーニング方法として有効で、射撃技術向上に効果があります。

可能なら積極的に空撃ちでトレーニングしたいところです。

古い銃は要注意

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この画像は私が所有していたCZ52ピストルのファイアリングピンです。

空撃ちしたところファイアリングピンが折れてしまいました。

このファイアリングピンはピン先端の根元部分がスライド内に激突し、ピン先端が前進しようとする慣性によって根元に負担が掛かり、最終的に破断しました。

CZ52は構造上空撃ち厳禁の銃です。

数回の空撃ちで銃は傷みませんが、長い目でみるとファイアリングピンを痛め、実弾を使用している場合よりも早く傷む傾向があります。

ブリーチブロックの内側にダメージが蓄積されひび割れを起こしたり、ファイアリングピンが折れることもあります。

リムファイアカートリッジの銃は要注意

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リムファイアカートリッジは薬莢後端の周囲(リム)に撃発用の装薬が配置されており、ファイアリングピンがリムを叩くことで撃発します。

リムファイアカートリッジを使用する銃では弾薬を装填しない状態で空撃ちするとファイアリングピンの打撃によってブリーチ(銃身の後部)を変形させてしまうことがあるため、空撃ちは避けた方が良いでしょう。

ファイアリングピンがブリーチを何度も叩き続けると接触部が凹み、薬室内径の一部が小さくなります。

これはヘッドスペースに影響し作動の信頼性や命中精度に悪影響があります。

ただし、モデルによってはリムファイア方式であっても「空撃ちOK」な場合があり、そういったモデルはファイアリングピンがブリーチに接触しない構造になっています。

スナップキャップがおすすめ

dryfire
カートリッジ左は実弾。右は空撃ち用スナップ・キャップ

アンティーク銃など、銃によっては構造的にファイアリングピンに負荷が掛かることもあり、何度も空撃ちを行う場合はスナップキャップ等の空撃ち用ダミーカートリッジを使用した方が良いでしょう。

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Photo via reloadup.com

スナップキャップの底にはファイアリングピンを受け止めるためのシリコンやスプリングなどが埋め込まれています。

ファイアリングピンの衝撃はシリコンやスプリングで受け止められるため、銃への負担が小さくなります。

空撃ちに問題があるかどうかは銃器メーカーが提供する取扱説明書に記載があるため、原則としてそれに従うことをおすすめします。

もしメーカーが空撃ちを推奨しない場合は、スナップキャップを利用して空撃ちすると良いでしょう。