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ハードボーラーとはどんなピストル?

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ハードボーラーとはどんなピストル?

今回はハードボーラーについて解説します。

ハードボーラーとは?

ハードボーラーは.44オートマグで有名なAMT社(Arcadia Machine & Tools Inc.)が1977年に発表したステンレス製オートピストル・シリーズです。

1911モデルでは初のステンレス製1911となります。

ハードボーラーは2002年まで複数バージョンが製造され、口径バリエーションも.45ACP、.40S&W、10mm、.400Corbonが存在します。

1985年公開の映画「ターミネーター」では、ハードボーラーシリーズのなかからロングスライドモデルが選択され登場したことでも有名です。

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Photo via pinterest

しかしハードボーラーは映画に登場したような攻撃的なイメージのあるコンバット・オートではなく、コルト・ゴールドカップを元にスポーツ用ピストルとして開発されました。

そのためアジャスタブルサイトやコンバットセイフティキャッチ、延長されたスライドリリースレバー、ワイドアジャスタブルトリガー、ワイドマガジンウェル、カートリッジインディケーターを装備しており、この点が通常のガバメントモデルと大きく異なります。

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ハードボーラー・スキッパー Photo via proxibid.com

ハードボーラーには7インチバレル装備のロングスライドモデルの他、ガバメントモデルと同サイズの5インチバレルモデル、コンパクトモデル(4インチバレル)の「スキッパー」や「コマンド」といった複数モデルが存在します。

AMT社はM1911A1のコピーをロストワックス製法によるステンレス・スチールで製造しました。

ハードボーラー、ハードボーラーⅡ、AMTガバメント、IAIジャベリナ 10mmオート(Javelina)がそれにあたります。

また、ハードボーラーより1インチ短いコンパクトモデルであるAMTスキッパー(Skipper)は1980~1984年に製造されました。

AMT社とは?

AMT社のルーツを辿ると過去に何度も社名を変えているため混乱しやすいので要注意です。

AMT社のはじまりは、米国カリフォルニア州の小さなガンショップから始まりました。

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Photo via thenewautomag.com

そのガンショップを経営するハリー・W・サンフォード(Harry W Sanford)は、1965~1969年にかけて有名な.44オートマグを開発し発表。

そして1971年にはいわゆる、パサデナ・オートマグを発表しましたが、1972年5月に会社は倒産。

AMC社の株や工業機器はトーマス石油会社が買い取り、社名をTDE社(Trust Deed Estate Corporation)とし、カリフォルニア州ノースハリウッドで、これまで生産していた銃とそのパーツの販売を受け継ぎました。

そしてコレクターで弾薬製造会社(Super Vel Corp)を経営する、リー・E・ジャラス(Lee E Jurras)はハリーサンフォードと協力して数多くのオートマグのカスタム・モデル(LEJ モデル)を手がけ、オートマグを製造しつづけました。

その後、1989年にIAI(Irwindale Arms Inc.)と社名を変更。

しかし、IAI社で製造された銃もAMTの名前(ブランド)を使用。

1990年代後半にはガレーナ社(Galena Industries Inc.)が製造しました。

AMTハードボーラーと同様にガレーナ・ハードボーラーが存在するのは、このような理由からです。
(ガレーナ社製ハードボーラーも、スライドの刻印はAMTとなっています)