
最近読んだ本をご紹介。
「外注される戦争」と「現代の傭兵たち」
まずは、PMC(民間軍事会社)に関する書籍2冊。「外注される戦争」と「現代の傭兵たち」。
2001年の同時テロ以降、急激にマーケットが拡大したPMCの世界状況を伝えるドキュメントです。
どちらの本もPMCが必要とされる理由と状況を伝えていますが、「外注~」は坦々と現状を伝え分析しているのに対し、「現代の~」は更に筆者の戦場体験を通した体験談と分析が加わった内容です。
「現代の~」はアメリカでヒットしたドキュメント本、「LICENSED TO KILL」を翻訳したもので、ジャーナリストの筆者がPMCオペレーター達にインタビューし、前線での取材、現地人との交流などを綴っています。
「外注~」と比べてページ数も内容も豊富なだけあり、描写も細かいので読み応えがあります。
細々とシューティングスクールを経営していたが、同時テロを境に莫大な資金を得て一流PMCを築きあげた特殊部隊OB、カネのためにPMCを選ぶ者、戦闘服を身に着けるだけで血湧き肉踊る根っからの戦争屋・・・・等々、様々な人間と思惑、人間ドラマがあります。
平和に暮らしている一般人には想像も付かないような現実が起きていることを、改めて認識させられました。
「銃砲入門」と「図解ハンドウェポン」

「銃砲入門」(1977年)と「図解ハンドウェポン」(2006年)の2冊。
「図解~」は入門者が抱える素朴な疑問にやさしく答えています。
疑問と解説の内容が当HB-PLAZAのコンテンツともかなりかぶっていますが(笑)、入門者におススメできる内容です。
ただ、「○○は××ではない」と解説していても、「いやいや、それには例外もあるよー」とツッコミを入れられる箇所はいくつかあります。
紙面の関係上ページ数を割けない理由があるのかもしれませんが、一つの疑問に対してもう少し深みを加えられたら更に面白くなる気がします。
一方、「銃砲入門」は古いながらも内容は確かで、「図解~」が初級とするなら、「銃砲入門」は初級~中級レベルです。
答えを知っていても、それが何故なのかという理屈を知らないことは多々あると思います。
この本はそういった疑問にも答えてくれるでしょう。
既に絶版ですが一度は読んで損はありません。
もし英語が読める人なら、NRA発行の「NRA Firearms Sourcebook」(2006年)もおススメです。
こちらは私にとって教科書的な愛読書となっています。
拳銃図鑑

コンパクトな文庫サイズの「拳銃図鑑」(1980年)です。
こちらも絶版ですが、ハンドガンの歴史とそのメカニズムにフォーカスした内容となっています。
あらゆるハンドガンのカラー写真の他、代表的なハンドガンの解説があり、マグナムやピストルの語源といった豆知識にも触れられています。
ハンドガンの発展の流れを簡単に知りたい人にはおススメできます。
余談ですが、冒頭から筆者の体験談について、「私と拳銃の出会いは、昭和十二年の支那事変勃発時に遡る。」と記述されており、お守り代わりに母からリボルバーを託されたというエピソードに時代を感じました。
最近読んだ本では、これらの他にも洋書が何冊かあるのですが、そちらはまたの機会にご紹介したいと思います。