自衛隊兵器

9ミリ拳銃

9mm45口径のM1911A1に代わって1982年に自衛隊の陸海空に正式採用された9ミリ口径の拳銃。自衛隊では中隊長になる資格を持つ三等陸佐(主に指揮官や戦車兵)から所持できます。

スイスのSIG P220をミネベアがライセンス生産しており、プレス加工によって大量生産に適しています。起こされたハンマーを安全に元の位置に戻せるデコッキングレバーを備えている他、9×19mm弾を使用する事から、45口径に比べてリコイルが小さく撃ちやすくなりました。

シングルカラムマガジンを採用しているものの、グリップが太く比較的握りにくく、マガジン交換時に片手でマガジンを抜けないのが短所です。またトリガーの薄さも気になります。

口径:9mm、ライフリング:右6条、重量:830g、装弾数:9+1発

 

 

64式小銃

64rM1ガーランドやM14ライフル等を参考にして開発され、1964年に正式採用された7.62×51mm口径の国産小銃。現在は新型の89式小銃に交代されつつありますが、まだ現役で装備されています。ボルトの上に備えられたコッキングレバーは左右どちらの手でも操作できるデザインですが、単発や連発を切り替えるセレクターレバーが右側にしか無いうえ、グリップを握ったまま片手で操作できないのが欠点です。

通常使用する弾薬(減装弾)は、同型のNATO弾(NATO加盟諸国の共通弾)の90%という弱装弾となっています。これは日本人の体格に合わせて撃ちやすくなるよう考慮されたものです。起立式サイトは射撃時の反動で倒れることが多いとも言われています。また、オプションとして狙撃用に2.2倍のスコープがあります。昨年はマガジン付きで展示されていましたが、今年は残念ながら着脱を楽しめませんでした。

口径:7.62mm、ライフリング:右4条、重量:4.4kg、装弾数:20+1発、発射速度:毎分500発

 

 

模擬戦闘で使用された小火器

64rs手前から、64式小銃が16丁と、62式機関銃が2丁、そして84mm無反動砲カールグスタフが2丁置かれています。

模擬戦闘が開始される直前に撮影したものですが、薬莢を回収する袋(カートキャッチャー)が装着された64式小銃が目立ちます。これを持っていた隊員達は自衛隊迷彩に身を包み、フェイスペイントをしてやってきましたが、この場所で武器点検を命じられつつ、それ以外の隊員は散らばっていきました。

奥に見える84mm無反動砲カールグスタフはスウェーデン製で1981年に正式採用されました。通常弾では厚さ400mmの装甲鋼版を貫通でき、その他発煙弾や照明弾などを多用途に使用できます。2人1組で扱い、弾薬は後方部分を回転させて開放し、補佐する隊員が装填します。激発は弾薬側面を叩く為に、弾薬挿入時には弾薬と砲にある溝を合わせて挿入していきます。

 

 

64rs2

64式小銃の数々

64式小銃を手に行進する隊員達ですが、この写真は式典会場から退場した時のものです。

 

 

 

 

62式機関銃

6264式小銃と同じ弾薬を使用する住友重機械工業で製造された国産機関銃。銃身交換が2~3秒で可能という迅速さと、クロームメッキされた銃身内による長銃身命数が魅力ですが、反面、銃身の肉厚が薄いことから長時間の射撃は加熱によって弾がバラつきやすく、連続した射撃には予備の銃身を持つ必要があります。

弾はベルト状に繋げられた弾を使用し、後方より強力な射撃支援が可能。現在では分隊支援火器として新たに5.56mm機関銃MINIMIが採用されています。この写真の撮影時に62式機関銃を空撃ちしてみましたが、想像していたよりもボルトに重量があります。オプションとして三脚もあり。

口径:7.62mm、銃身重量:2kg、ライフリング:右4条、発射速度:毎分600発、重量:10.7kg

 

 

M2重機関銃(キャリバー50)

m2a第一次世界大戦当時に開発された50口径重機関銃。ジョン・M・ブローニング設計の古いものですが、完成度が高く現在でも世界中で使用されるマシンガンです。

高い貫通力と長射程距離により、装甲の薄い車両に対しても有効です。64式小銃や62式機関銃の様に引き金を引いて発射するのではなく、後部のレバーを親指で押す事で射撃できます。

コッキング時に前後するバレルは他の銃とは異なる感覚です。オプションとして三脚など各種マウントが用意されており、対空マウントでは手元のグリップを握り込む事で射撃できます。自衛隊でこの対空マウントを実戦使用する機会があるときはかなり不味い状況でしょう。

口径:12.7mm、重量(銃のみ):38.2kg、ライフリング:右8条、発射速度:毎分450~550発、有効射程距離:4000m

 

 

M2銃機関銃の分解

m2b右の写真は、90式戦車に搭載されていたM2重機関銃を分解している場面です。手前の隊員が持っているのは銃身で、それぞれ布にくるまれていました。この銃身重量は12.7kgあり、分解すると楽に持ち運べます。

 

 

 

 

 

 

火炎放射器

fire13つのタンクが備え付けられていますが、両側のタンクに噴出される燃料が入っており、中央のタンクに噴出させる為のガスが入っています。噴出には通常ガスが使用されますが、このタンクには「空気」と書かれていた事から、恐らく訓練用に圧縮空気が使用されているのでしょう。実演では、10メートル以上先の目標を焼いていました。fire2

 

 

 

 

 

4型NBC防護衣

bc地下鉄サリン事件でも見られた防護マスク4形と、戦闘用防護衣の組み合わせです。これらは全部隊に装備されており、毒ガスや放射性物質から身を守ります。写真の防護服は通気性のある活性炭繊維を使用した全部隊が装備するものですが、毒ガスに対してはゴム製の化学防護衣4形が使用されます。

化学防護隊は長官直轄の第101化学防護隊と、各師団の司令部付隊に化学防護小隊が置かれています。

私も防護マスク4形を実際に装着してみましたが、圧迫感もなく、装着したまま水を飲める様に付けられたチューブが、ちょうど口の部分に位置していました。また視界も良好で、左右約78度、上約60度、下約40度の視界が確保されています。撮影をしたこの日は真夏日で、隊員の方は本当にお疲れ様でした。

 

 

模擬戦闘(自衛隊側

90tこの日予定通り模擬戦闘が行われましたが、その直前に部隊の撮影をしました。

90式戦車の後ろに87式偵察警戒車が続き、その後ろには73式装甲車が待機しています。また、この90式戦車の前方には64式対戦車誘導弾や106mm無反動砲を備えた車両、そして迫撃砲を搭載した車両が並んでおり、60式自走106mm無反動砲や74式戦車2両も待機していました。

中でも90式戦車は主力とあって興味深い戦車で、複合装甲や120mm滑空砲、自動装填装置を備えた特徴があります。安全性も向上し、当初乗員は車両の直線上に配置されていましたが、イスラエルの戦争で一発の砲弾で乗員全員が死亡した事を教訓に現在は左右に配置される様になったといわれています。

上面装甲が薄くなっている部分がありますが、これは攻撃を受けて砲弾を収納している弾薬庫が誘爆しても、乗員を守るために爆発力が上へ逃げられる様に設計されています。この他、短SAMやパトリオットといった対空兵器も数多くありましたが、これらは展示のみでした。

 

 

73式兵員輸送車

73模擬戦闘(仮想敵側) 敵役となる73式装甲車と74式戦車の2両です。どう見ても勝負は見えていますが、仮想という事なので。画像は出動前の様子で、出番の直前までエンジンを停止させていました。

因みに、この73式装甲車の内部は公開されていたので、写真撮影も出来ました。前輪駆動のため操縦手席の足下には銀色のギアボックスが見られます。73式装甲車は水に浮く能力がありますが、水上での推進力はキャタピラの回転を利用するだけなので速度は遅いとのことです。その気になれば太平洋横断も出来ると現場の隊員は笑っていました。

 

 

模擬戦闘

battleいよいよ戦闘開始!自衛隊側の偵察オートバイ2台が敵陣地までやってきますが、有刺鉄線の手前で引き返します。そこへ敵側の74式戦車から機関銃を掃射。オートバイの隊員はバイクを横倒し、後部に固定された64式小銃で応戦、そして離脱します。すると後方から90式戦車や74式戦車と共に装甲車が流入。装甲車から降りた隊員は迫撃砲や小銃で攻撃し、62式機関銃や戦車砲の援護を受けながら匍匐前進で進みます。

この時激しい銃撃戦が続き、74式戦車のマズルフラッシュを前方から見られましたが、これは駐屯地祭ならではの魅力です。また、空ではUH-1輸送ヘリがホバリングし、4名の隊員がラペリングで降下。側面からはAH-1対戦車ヘリが援護します。敵側の74式戦車も負けじと主砲で攻撃。私から15メートル先にあった手作りのトーチカからは62式機関銃が攻撃し、花びらの様に綺麗なマズルフラッシュを出していました。しかし、自衛隊側の銃撃が激しく、トーチカの62式機関銃手は撤退。すると、どこからともなく現れた隊員が火炎放射器でトーチカを焼き払います。

敵側の74式戦車は撃破され砲塔を下げて沈黙し、60式自走無反動砲を先頭に敵陣地へ流入します。この模擬戦闘は全て空砲が使用されていますが、弾着効果の為に予め地面に埋設しておいた爆薬が爆発し、土を上空に舞い上げるなど、戦争映画さながらの光景でした。

 

 

走行中の74式戦車上から

74a模擬戦闘の後で74式戦車に試乗できる機会があったので、早速乗ってみました。ほぼ最高時速の時速50キロ程で走行中の戦車上から撮影。

この試乗会では、片道300メートルの砂利道を走行し、折り返し地点で180度反転して帰ってくるというものでした。74式戦車は世界に先駆けて採用された油気圧懸架装置によって車高を変える事が可能ですが、乗降車の際も車高を変えてもらえ、楽に乗車できました。

74式戦車の特徴的な装備にレーザー測距装置と弾道計測コンピューター、そして赤外線兼投光器があります。この赤外線兼投光器は、赤外線装置は時代遅れなので現代戦では使えませんが、投光器は暗闇で1500メートル先の新聞紙も読めるという強力な光りを発し、強力すぎてあまり近づくと火傷します。

 

 

乗り心地は・・・

74bV型10気筒25L、720馬力の74式戦車から生まれる加速力も十分なもので、ゆっくり発進してもそのパワーが分かります。砲塔後部でエンジンルームの上に乗車していましたが、下から時々上がってくるエンジンの熱風を感じました。

また、反転する際には独特の横Gを体感出来ます。中でも意外だったのは走行中の乗り心地と音で、サスペンションもよく効いており、走行音は地上で聞くより静かに感じました。74式戦車の騒音の殆どは、キャタピラから発生しているのではないでしょうか。

写真は、もう1両の試乗に使われた74式戦車とすれ違う場面です。余談ですが、74式戦車でも車と同じ扱いをされ、ウインカー装備はもちろん、オプションでバックミラーを装着する事が出来ますし、2年に1度車検もあります。

更新日:1999年吉日


 
 
 
 
 
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