銃撃戦で銃口に弾が命中した結果

昔、シティーハンターの主人公「冴羽リョウ」が愛銃パイソンを射撃し、敵が所持する銃の銃口に弾を命中させて銃を内部から破壊するというシーンを見たことがあります。

それを見た私は、「現実では不可能」と思いましたが、今回アメリカで実際に起こったようです。

 

ニュースサイト「Aurorasentinel.com」によると、今年1月26日、コロラド州オーロラで強盗事件が発生し銃撃戦となったことが先日、地元警察により公表されました。

 

当時の状況は次の通りです。

非番だった警官がプライベートで彼女のアパートを訪問。その後、アパートの駐車場に停めていた自分の車に私物を取りに行きました。

そして車から私物を取ってアパートへ戻る際、覆面姿の二人組に遭遇します。

覆面男の一人が「そいつをよこせ(Give it up)」と要求したところ、警官は携帯していた.45口径ピストルを抜いて銃撃戦に発展しました。

警官の証言によると、二人組が先に発砲し、警官は応戦したそうです。

その際、警官が撃った弾が覆面男が所持する銃(スプリングフィールドアーモリーXDM 40SW)の銃口に命中。

銃口から入った弾は銃身内を進み、チャンバー(薬室)に装填されていた弾をチャンバーの外まで押し下げて停止しました。

警官は肩と腹部を撃たれたものの命に別状はなく、足に被弾した犯人の一人が逮捕され、もう一人は逃走したとのことです。

この事件について警察は、「one in a billion.(10億回に1回の出来事)」とコメントしています。

 

Photo via fishgame.com
Photo via fishgame.com

公開された画像を見ると、チャンバーから鉛が露出しているのが確認でき、未発射の.40S&Wは弾頭がケース内に押し込められています。

シティーハンターのように爆発はしませんでしたが、ショートリコイルさせてスライドを後退させた事実は興味深いですね。

そして更に驚かされるのは、.45ACPの弾が.40S&Wの銃身を通過したという点です。

.45ACPと.40S&Wは、大きさにどれぐらい差があるのでしょうか。

念のため、両者のサイズを確認してみましょう。

 

 

.45ACPと.40S&Wチャンバーのスペックを比較

Photo via saami.org
Photo via saami.org

こちらはSAAMI規格の.45ACPのスペックです。

弾頭の直径はジャケッテッドブレットで11.481-0.076となっており、直径11.405~11.481mmとされています。

 

Photo via saami.org
Photo via saami.org

一方こちらは.40S&Wのチャンバーと銃身のスペックです。

銃身は内径(口径)をボアダイアメーター、または山径と呼びます。

そしてライフリングの溝から溝まで測った内径をグルーブダイアメーター、または谷径と呼びます。

.40S&Wでは山径が9.91mm谷径が10.173mmなので、.45ACP(11.405~11.481mm)はサイズオーバーとなり通過できないハズです。

 

では、なぜ通過できたのか?

その答えは弾の柔らかさにあると考えられます。

 

関連記事:7.65mm弾は口径7.65mmではない?

 

 

鉛の弾は変形しやすい

Photo via guns.com
Photo via guns.com

この画像は5.56mm口径の銃身に.300AACブラックアウトを使用した結果です。

弾頭直径が約7.773~7.849mmの弾が、内径約5.56~5.69mmの銃身内を通過する際、圧力により前後に長く伸ばされているのがわかります。

運が悪ければ破裂していたところですが、この銃身は高圧に耐えられたため、細長く変形した弾が銃身内に残されました。

鉛は柔らかく変形しやすいことから、今回の事件でも同様の現象が起きたと考えられます。

 

関連記事:.300AAC BLKは狩猟で使用可能ですか?

 


 
 
 
 
 
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