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ストレートプルボルトアクションが普及しない理由とは?

銃の画像
マンリッヒャーM1895 Photo via wikimedia.org

ご質問を頂きました。

ボルトアクションより高速で操作ができ、セミオートよりも精度で勝り確実なストレートプルボルト式ですが、なぜあまり普及しないのでしょう、構造が複雑とはいえセミオートよりは簡単そうですが…

様々な考え方ができると思いますが、私は歴史的に軍用として広く採用されなかったことと共通する原因があるのではないかと考えています。

ストレートプルボルトアクションが普及しない理由とは?

ストレートプル方式が採用された軍用ライフルは、カナダのロスライフル、オーストリアのマンリッヒャーM1895、スイスのシュミットルビンM1889、K31等がありますが、その後のライフルではほとんど採用されませんでした。

これには以下の理由が考えられます。

軍用としての信頼性の問題

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ストレートプル方式はターンボルト方式と比較して構造が複雑です。

小さなパーツが使用されることもあり、弾薬を大量に消費しながら長く使用されると、破損や作動不良が起きやすくなるという問題があります。

平時に射撃場で使用する場合は問題ありませんが、高圧な軍用弾を使用しながら、地面に叩きつけたり泥に浸かったりとラフに使用されると、不具合が起こりやすくなります。

一方でターンボルト方式はシンプルな構造なため不具合が少なく、過酷な環境でも使用可能です。

いくらストレートプルの速射性が高くても、銃は弾が出なければ意味がありません。

メンテナンス性の問題

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Heym SR30 Photo via Wikipedia

軍用ライフルは戦地で分解清掃されることがありますが、少ないパーツ点数とシンプルな構造はメンテナンス性が高く、この点でターンボルト方式は優位です。

パーツが破損した場合でも、パーツ点数が少なければ補給の管理がスムーズとなり、低コストで長く使用可能になります。

コストの問題

構造が複雑になると製造コストが増加します。

軍用ライフルは大量生産されるためコストが重要な要素となります。

また短期間に大量生産可能な銃が求められる場合もあり、低コストでシンプルなライフルが好まれます。

以上の理由は軍用の場合についてですが、いくつかの問題点は狩猟用や競技用にも当てはまるのではないでしょうか。

しかし現在では、ブレイザー、アンシュッツ、イズマッシュなど、様々なメーカーがストレートプル方式ライフルで成功しており、狩猟や競技の場において競争力があるでしょう。

特にスポーツ用としては、ストレートプル方式は広く普及しています。

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