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中折れ式リボルバーが衰退した理由

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Photo via johnnyringo.net

中折れ式のリボルバーが衰退した理由について解説します。

中折れ式リボルバーが衰退した理由

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中折れリボルバーが現在まで生き残らない原因として「強度の弱さ」があげられます。

フレームとバレルをロックするラッチが弱いため、現代の高圧な弾薬に耐えることができません。

閉鎖状態を維持するラッチは繰り返される衝撃によって次第に緩みが生じ、事故が起こりやすい構造です。

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中折れリボルバーの口径には.22~.44口径などがありますが、これら当時の弾薬は現在の同口径弾薬と比べてパワーが小さく、初速も650fps(198m/秒)前後といった低速なものが殆どです。

当時利用されていた装薬はブラックパウダー(黒色火薬)で低圧でしたが、現代のスモークレスパウダー(無煙火薬)は強力で高圧になります。

もちろん現代の弾薬でも規定の圧力を超えないレベルであれば使用可能ですが、それでも現代のリボルバーと比較すると耐久性が低く長寿命とは言えません。

また、ショットガンのようにライフリングの無いスムースボアの銃身であれば腔圧が低いため中折れ式が利用できますが、ライフリングを使用し腔圧が高くなりやすい銃には負荷が大きいといえます。

このような理由から中折れ式リボルバーは現代のユーザーの要求に応えられないため主流になっていません。

トップブレイクとチップアップ

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S&W No2 Photo via potofgoldestate.hibid.com

中折れリボルバーは2つの種類に分類されます。

1つは銃を”ハの字”に折り曲げて装填する方式の”トップブレイク・リボルバー(Top-Break)”。

もう1つはバレルを”逆ハの字”に銃口を上向きに折り曲げる方式の”チップアップ・リボルバー(Tip-Up)”です。

数多くの中折れリボルバーを製造したS&W社を例に挙げると、S&W社はトップブレイク・リボルバーを1870~1940年に製造し、チップアップ・リボルバーを1857~1881年に製造していました。

こうした中折れリボルバーは現在では復刻モデルを除き殆ど製造されていませんが、1800年代後半から多く製造され、スイングアウトタイプのリボルバーに追いつく勢いで製造された時期がありました。

S&W社のモデルをベルギーがコピーし、そのコピーをロシアが更にコピーするなど、コピーのコピーが生まれる事例も多くありました。

中折れリボルバーで有名なものにはイギリスのエンフィールド社や、ウェブリー&スコット社、プライス社、アメリカのS&W社、アイバージョンソン社などの製品があります。

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