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ツァスタバM57(トカレフピストル)のセイフティの評価とは?

Zastave M57A Photo via zastava-arms.rs
Zastava M57A Photo via zastava-arms.rs

ご質問を頂きました。

ツァスタバM57には手動のセーフティがありますが操作性の良し悪しはどうなのでしょうか?

また、手動セーイフティやマガジンセーフティが組み込まれていますが、これらが要因で本家トカレフの持ち味であったどんな悪環境下でも確実に作動するタフさや作動の信頼性などは失われているのでしょうか?

ツァスタバM57の手動セーフティの信頼性の良し悪しはどうなのでしょうか?

トカレフピストルのセイフティについて解説します。

トカレフピストルのセイフティの評価とは?

ロシアのトカレフTT-33の成功によりトカレフピストルは東側諸国でコピーやライセンス生産が多数行われ、ツァスタバM57もそのうちのひとつです。

オリジナルのM57にはマニュアルセイフティがありませんが、米国では輸入規制法の関係で米国内に流通するM57には追加のマニュアルセイフティが備わっています。

(M57Aはスライド左側、M57米国版はフレーム左側に装備)

M57の追加セイフティの操作性は?

銃の画像
ユーゴスラビア製M57 Photo via gunauction.com

私はM57を射撃したことが無くガンショーで手にとって操作したことがある程度ですが、相対的にコルトやベレッタといった一流メーカー品と比較すると良いとはいえません。

銃の画像
wz 33 米国輸入モデル Photo via reddit.com

しかし、ポーランドのwz33やルーマニアのTTCなどはセイフティの位置がグリップの前方に追加されているため、それらと比較するとグリップ上部に位置するM57は扱いやすいといえます。

ピストルはスライドを引く動作以外の操作は片手で素早く完結できるのが望ましいため、M57はその点をクリアしています。

トカレフTT-33のコピーの中では、M57のセイフティは最も扱いやすいセイフティのひとつだと思われます。

セイフティ追加により性能は低下するか?

米国輸入版ではマニュアルセイフティがない場合に後から追加されますが、これにより銃の射撃性能や信頼性が低下することは(正しく加工されていれば)構造上ないと思われます。

しかし、外面に引っかかるパーツが増えるということは、ホルスターからの抜き挿しで抵抗となり得るため、セイフティの形状に注意が必要かもしれません。

また、モデルによってはセイフティレバーの動きが緩く、意図せずセイフティがオン・オフになることがあります。

M57の追加セイフティの信頼性は?

M57のセイフティの信頼性は、あまり良いとはいえません。

回転式セイフティの軸はシアーの動きを妨げることでハンマーが落ちるのを防いでいますが、確実性が弱く、セイフティをオンにしてもトリガーを引くとハンマーが落ちるケースがあるようです。

トカレフピストル全般にいえることですが、設計上動作するはずのセイフティも、仕上げの悪さ等の不具合から問題がありえますし、おまけにファイアリングピンブロックのようなインターナルセイフティを有していないため携帯には適していません。

(米国では200ドル台から購入可能な安物ピストルということもあり、質を求めるのは酷かもしれません)

モデル製造国口径マニュアルセイフティの有無
※オリジナル版
M57ユーゴスラビア7.62mm
M57Aユーゴスラビア7.62mm
M70Aユーゴスラビア9mm
M70AAユーゴスラビア9mm
M88ユーゴスラビア9mm
M88Aユーゴスラビア9mm
TT30ロシア7.62mm
TT33ロシア7.62mm
TTCルーマニア7.62mm
M48ハンガリー7.62mm
トカジプトM58ハンガリー9mm
PW wz.33ポーランド7.62mm
51式中国7.62mm
54式中国7.62mm
54-1式中国7.62mm
213中国9mm
213A中国9mm
M20中国7.62mm
TU-90中国9mm
 68式北朝鮮 7.62mm 無

※米国に輸入されるほとんどのモデルには規制法(GCA1968)によりマニュアルセイフティが追加されています。