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銃の分解には知識や工具が必要?:通常分解(フィールド・ストリッピング)と完全分解

ベレッタスライド画像

ご質問を頂きました。

銃の分解に関しての質問なのですが……

銃器(ハンドガン、マシンガン、ライフル、ショットガン等)は全て個人レベルでの分解や組み立てが可能なのでしょうか?

また、分解に際して工具が必要な場合とそうでない場合があるのでしょうか?

銃の種類にもよりますが、特に軍用銃では、通常分解/簡易分解(フィールド・ストリップ/フィールド・ストリッピング)と、完全分解/精密分解の二つの段階があります。

フィールドストリップ

フィールドストリップとは、メンテナンスのために大まかに簡易的に分解することをいいます。

こうした簡易的な分解は「通常分解」や「簡易分解」と呼ばれますが、日本の警察(警察官等拳銃使用及び取扱い規範)では、精密分解を必要としないメンテナンスやクリーニングを「普通手入れ」と呼んでいます。

銃の画像
ベレッタ92FS Photo via Beretta

通常分解では特別な工具を必要とせず、スライド、バレル、ロッキングブロック、リコイルスプリングといった部品をフレームから分離する事ができ、野外でも簡単にクリーニングなどメンテナンスが行えるよう設計されています。

しかし、これよりさらに細かくネジの1つまでバラバラに分解する完全分解では工具を必要とします。

完全分解

ネジ1本までバラバラに分解することを「完全分解」や「精密分解」と言います。

日本の警察(警察官等拳銃使用及び取扱い規範)では、精密分解によるメンテナンスやクリーニングを「精密手入れ」と呼んでいます。

銃の画像
Photo via Beretta

完全分解(精密分解)で必要な道具は、マイナスドライバー1本で済ませられる場合もあれば、ハンマー(木槌や木片)、ドライバー、レンチ、といった道具を必要とする場合もあります。

銃に使われているパーツ点数は30点程度という少ないものから100点を超えるパーツ数を持つ銃まで様々なため、慣れや知識を必要とする場合があります。

分解する銃の構造に関する知識が無くては、分解する事はできても再度組み立てることは難しいでしょう。

ただこの場合、他の銃の分解組立てに慣れていれば初めての銃でも勘や経験で理解できる事はあります。

通常、銃器メーカー側は所有者個人の通常分解以上の分解を推奨しません。

もし問題が発生した場合は、ガンスミス(専門家、銃工屋)に依頼して見てもらう事を勧めています。

日本でもモデルガンの組み立てキットが発売されているように、個人レベルで完全分解とその組み立ては可能ですが、銃によっては専門知識や専用工具を必要とする場合もあります。

最低限必要な工具

「銃を所有するなら最低でもこれは必要」という工具をご紹介します。

クリーニングロッドと真鍮ブラシ

銃身内に残留した鉛、銅、カーボンなどを除去するためにブラシを使用します。

火薬を使用しない空気銃などにはナイロンブラシでも良いですが、実銃には真鍮ブラシをおすすめします。

銃を購入するとナイロンブラシが付属することがありますが、私の経験上ナイロンブラシは役に立ちません。

クリーニングマット

クリーニングマットはガンオイル等を吸収し、床やテーブルが汚れるのを防ぎます。

様々なデザインのマットが流通していますが、無地のマットの方が細かいパーツも視認しやすくおすすめです。

ドライバーセット

スコープを取り付けたりグリップパネルを外す際などに使用します。

サイズ違いの六角スクリューに対応する製品があると便利です。

トルク調整が可能なトルクドライバーがあればベスト。

ハンマー

ピンを抜いたり動きの悪いパーツに対して使用されます。

叩く部分にプラスチックやゴムが取り付けられているハンマーは銃を傷を付けにくいためおすすめです。

ポンチ(ピン抜き)

銃には様々なピンが使用されており、ピンを抜き取るためにポンチを当ててハンマーで叩き出します。

所有する銃に使用されているピンサイズに合わせて購入すると良いでしょう。

ベンチブロック

ピンを抜き取る際にパーツを置くための台です。

特定のパーツに特化した製品もありますが、汎用性の高い製品でもOKです。

バイス(万力)

銃やパーツを固定する際に必要です。

ライフルの銃身の取り外し、サイトの取り外し、パーツの切削加工、クリーニング時の固定など、様々な用途で利用されます。

所有する銃によっては必ずしも必要ではありませんが、「手が4本あればこのパーツを組み込めるのに!」と悔しい思いをするタイミングもあるので、そんなときにも便利です。

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