上下二連ショットガンの構造

faq_q 上下二連式散弾銃のコッキングについて。

この銃はよくクレイ射撃などで使用されていますがコッキングの仕組みがよくわかりません。

シェルを入れて閉じるとコックされるのでしょうか?

外部にハンマーはないしポンプアクションでもないですし。

ハンマーが内蔵されているのはわかっていますがダブルアクションで撃つというわけでもないようです。

私も銃と付き合いは長いですがこうした競技用の銃はあまり関心がなかったためかよくわかっていないことが多いです。

 

faq_a上下二連や水平二連といったブレークオープン方式(中折れ式)の銃は多種多様で、外見が似ていても内部構造が異なることがあります。

そのため一概に説明できませんが、一般的にどのような構造なのかをご紹介したいと思います。

 

 

上下二連ショットガンの操作方法

構造を見る前に、まずは操作方法について確認したいと思います。

モデルによって操作方法が異なりますが、上下二連ショットガンの多くはセレクターを有しており、上の銃身と下の銃身のどちらから先に発射するかを選択することができます。

詳しい方法は、鹿児島市の銃砲火薬店 「サツマ火薬銃砲販売所」さんが、分かりやすい動画をアップしているのでお勧めです。

 

 

基本構造

Photo via shootinguk.co.uk
Photo via shootinguk.co.uk

画像は上下二連ショットガンでよく見られるタイプのトリガーメカです。

銃を折るとヒンジの部分から繋がる棒状のコッキングロッド/コッキングスライドが後退し、それに連結されたハンマーが起こされます。そしてハンマーはシアーに引っ掛かることでハンマーが起きた状態を維持します。



トリガーやシアーは銃を折った段階でセットされるので、弾を装填して折った銃を元に戻せば発射準備完了です。

画像ではハンマーやシアーが1つしか確認できませんが、反対側にもハンマーとシアーがあります。

ハンマーとシアーは対に2個セットで並んでおり、トリガーを引けばそれぞれ独立して順番にハンマーが落ちて撃発します。

「トリガーを引いて両方のハンマーが同時に落ちないのか?」と疑問に思われるかもしれませんが、上の画像のショットガンはイナーシャ・ブロックが備わっており、これにより別々にハンマーが落ちる仕組みです。

つまり、トリガーを1回引くと1個のハンマーが落ち、もう一度トリガーを引くと、残りのハンマーが落ちます。

このイナーシャブロックはセレクターによって移動可能で、上下の銃身のどちらから先に発射するか選択することができます。

 

 

イナーシャ・ブロック・システムとは?

イナーシャ(inertia)とは「慣性」という意味ですが、イナーシャ・ブロック・システムは発射時に発生するリコイル(反動)を利用して左右のハンマーが別々に落ちるように切り替えています。

 

sekainojuu-shotgun1

画像は書籍「世界の銃パーフェクトバイブル (3)」で解説されている上下二連ショットガンの構造です。

入門者には分かりにくいかもしれませんが、構造は非常にシンプルです。

起こされたハンマーはシアーによって保持されており、シアーがハンマーを解放するとハンマーが落ちます。そして、シアーはイナーシャブロックの接触によって可動します。

銃のセレクターを操作すると、イナーシャブロックの位置が変わります。位置が変わると2個のシアーのうち1つのシアーと接触し、もう1つのシアーとは接触しません。イナーシャブロックが接触しているシアーは、トリガーを引くとイナーシャブロックが上昇してシアーを動かし、ハンマーを解放して撃発します。

一発目(初矢)の発射により発生したリコイルの慣性でイナーシャブロックが後退しますが、再び前進すると今度は残ったもう一方のシアーに接触します。これによりトリガーを再度引くと、またイナーシャブロックが上昇してシアーを動かし、ハンマーが落ちて二発目(後矢)を発射します。

 

sekainojuu-shotgun2

上図はショットシェルのエジェクション(脱包)について解説した図です。

「銃を折るとコッキングロッドが後退する」と説明しましたが、ハンマーが落ちるとコッキングロッドが前進します。

前進したコッキングロッドは、銃を折る際にエジェクターシアーを固定し、エジェクターシアーはエジェクターを引っ掛けます。

そして銃を続けて折っていくと、やがてエジェクターはエジェクターシアーから解放され、スプリングによってエジェクターがショットシェルを排莢します。

エジェクターシアーはハンマーが落ちていないとエジェクターを引っ掛けないため、銃を折ると発射済みのショットシェルだけが排莢され、未発射のショットシェルは排莢されずにチャンバー(薬室)の中に残ります。

 

書籍「世界の銃パーフェクトバイブル」は、全くの入門者には内容が難しいかもしれませんが、銃のパーツ名をある程度記憶している人には良い参考書だと思います。

全3冊のシリーズ本ですが、興味のある方は是非ご覧ください。

 

 

水平二連ショットガン(サイド・バイ・サイド・ショットガン)の構造

質問は上下二連についてでしたが、ついでに水平二連についても解説しておきます。

 

通常、水平二連ショットガン(サイドバイサイド・ショットガン)はトリガーが二つあり、それぞれのトリガーで左右を撃ち分けます。

上の動画ではストライカー方式の水平二連の内部構造を説明しており、トリガーを引くとシアーファイアリングピンを解放して撃発します。

 

 

そしてこちらの動画はハンマー方式で、トリガーを引くとシアーがハンマーを解放して撃発します。

 

今回は一部のショットガンについて触れましたが、上下二連、水平二連共に、様々な種類と構造あるため、以上の構造が全てではありません。

上下二連は競技用として利用されることが多く、トリガーを引いて撃発に至るまでのスピード(ロックタイム)を短縮するために、様々な技術が注ぎ込まれています。そのため、メーカーやモデルによって構造が多種多様であるとご理解ください。

 




 
 
 
 
 
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