マズルブレーキは命中精度に影響する?

faq_q今では狙撃ライフルにもマズルデバイスを備えたモデルを見るようになりましたが、一昔前のそれにはマズルデバイスは付いていませんでした。

また、今でもハンティングライフルやバーミントライフルなどには、マズルデバイスを付けていないものをよく見ます。

ソースは忘れてしまいましたが、マズルデバイスは命中精度に悪影響を及ぼすという話を聞いたことがあります。

ハンティングライフルの中にはリコイルが強力なものもありますから、マズルブレーキなどのデバイスを付けたライフルをもっと見かけても良いはずなのにそれがないのは、命中精度の低下を考えてのことなんでしょうか?

 

faq_aマズルデバイスを装着すると命中精度や銃声の大きさに影響することがあり、銃のモデルによっては使用されません。

 

 

重力によるバレルの湾曲問題

マズルブレーキやサプレッサーなどの重量物を銃口に装着すると、わずかですがバレルが重力によってしなり、湾曲します。そのため、銃口付近の重さが変わると着弾地点(POI / ポイント・オブ・インパクト)が変化するのが一般的です。

できれば何も装着しない方が良いですが、リコイルや銃声を抑制したい場合は装着しないわけにはいきません。

実際には、装着するマズルデバイスと銃口やバレルの状態によって影響に大小の違いが見られ、「マズルブレーキを装着したら命中率が向上した」という例もあり、一概に良し悪しは判断できません。

問題は、弾が銃口を離れる瞬間のガスの流れによります。

 

 

弾が銃口を離れる瞬間に問題あり

 

この動画はマズルブレーキを装着したバレルから弾が発射される様子を表したものです。

バレルの先にマズルブレーキが装着されており、ガスを横方向に噴射させることで前方に噴射するガスの量を減少させてリコイルを抑制しています。

 

Photo via mnts
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撃発により装薬が燃焼し、発射ガスの圧力によって弾が押されてバレル内を通過します。

このとき、一部の発射ガスは弾とライフリングの溝の隙間を抜け、弾より先行して噴射されます。

 

Photo via mnts
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弾が銃口を抜けてライフリングから離れると、ほんのわずかなガスの流れによって弾は簡単に影響を受けます。

弱風でも着弾場所が変化するように、空中の弾は少しの力で上下左右に動きやすい状態です。

そのため、銃口付近(マズルクラウン)の形状に問題があったり、マズルブレーキの内部形状によってガスの乱流が発生すると、命中精度に影響します。

これは銃やマズルデバイスによって状態が異なるため、改善が必要な場合は個別に対処する必要があります。

 

 

 

 

マズルブレーキの利点:リコイルを軽減

前述しましたが、マズルブレーキはリコイル(反動)を抑制します。

Photo via precisionrifleblog.com
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弾を前方に撃ち出すと、弾と同時に装薬の燃焼による高温高圧のガスが噴射され、大きなリコイルが発生して銃が後方へ押されます。

いわゆる、ニュートン力学の「作用・反作用の法則」です。

リコイルの原因の殆どは発射ガスによるものなので、ガスの噴射方向を前方ではなく横方向にすれば30~50%のリコイルを軽減することが可能となり、銃口の跳ね上がり(マズルジャンプ)やリコイルを抑えて次弾発射までの時間を短縮したり、射手の負担を軽減します。

これが軍用スナイパーライフルでマズルブレーキが多用される一番の理由です。

しかし、マズルブレーキで問題となるのが、銃声問題です。

 

 

マズルブレーキの欠点:銃声が大きい

ハンティング・ライフルにマズルブレーキが装着されない理由の一つが銃声の大きさです。

銃声は、発射ガスによる空気の振動と、音速を超える弾により発生したソニックブームが原因です。

通常、銃声は発射ガスの進行方向、つまり前方に向かって広がりますが、マズルブレーキを装着すると横や後方に銃声が広がりやすくなります。特に、ハンティングで使用するライフルにはマグナムカートリッジを使用するモデルが多く、射手が受けるダメージが大きくなる傾向があります。

 

Photo via silencernews.com

 

飛行機のジェットエンジンの音圧レベルは、離陸時でおよそ140デシベルといわれますが、銃声はピストルで160デシベル前後、ライフルだと170デシベル前後、マグナムカートリッジを使用するライフルだと180デシベルに達する場合があります。

ハンティングでは獲物の音や仲間の声を聴き逃さないためにイヤーマフや耳栓を使用しないハンターもいますが、マズルブレーキを装着したライフルでマグナムカートリッジを発射すれば、聴力を失うなどの身体的影響を受けることがあります。

更に、ハンティングに仲間やガイドが同行していれば周囲への影響は必至で、アフリカの一部地域ではマズルブレーキをハンティングで使用することを規制している国もあります。

仮にイヤーマフで耳を守っていても、マズルブレーキでマグナムカートリッジの銃声を受ければ、場合によってはイヤーマフの性能を超えてしまい耳にダメージを受けるリスクがあるので注意が必要でしょう。

 


 
 
 
 
 


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