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Kel-Tec SUB-2000の構造とは?

ご質問を頂きました。

keltec社のSUB-2000カービンはどんなメカニズムなんでしょうか?

折りたたみ式の銃なのは分かるのですが、動画を見ると何度か弾づまりを起こしていて無理があるのかなと思い質問させて頂きます。

動画ではドラムマガジンと通常の2種類が確認できました。

複数の目標に数発ずつ射撃している最中に詰まっていたので、やはり値段が安いのに相応の製品なんでしょうか?

SUB-2000について解説します。

Kel-Tec SUB-2000の構造とは?

ケルテック(Kel-Tec)社のSUB-2000カービンは、ピストル弾を使用する折り畳み式ライフルです。

ジャム(弾詰まり)の原因は銃本体の問題に限らず、マガジン不良や弾薬不良など様々な原因によって引き起こされるため一概に言えませんが、SUB-2000の評価は概ね好評といった印象です。

特に第二世代(Gen 2)の登場により、改良されたSUB-2000はジャムの頻度も少なくなりました。

銃の画像
Photo via impactguns.com

上の画像は第一世代のSUB-2000です。

マガジンはグリップ内に収納されており、グロック17のマガジンが使用可能です。

この構造のおかげで重心位置が後方にあり、片手でも扱いやすい重量バランスとなっています。

使用可能なマガジンによって複数のバリエーションが用意されていますが、それぞれS&W M&P、SIG P226、ベレッタ92F/96F、グロック17/19/22/23のマガジンが使用できるSUB-2000が存在し、いずれも使用弾薬は9mmまたは.40S&Wです。

リコイルチューブ(ストック)の下にはチャージングハンドルが配置され、射撃中はボルトの前後運動と連動して前後に動作します。

SUB-2000には最終弾発射後に自動的にボルトがホールドオープンする機能が備わっていないのですが、H&Kの様に手動でチャージングハンドルを横にスライドさせてボルトをホールドオープンにすることができます。
(チャージングハンドルを叩いてボルトを前進させる、いわゆる「HKスラップ」も可能)

セイフティ機能はクロスボルト方式を採用し、グリップしながら親指で押し込むとセイフティが解除でき、右側から押すとセイフティオンになります。

銃の画像
Photo via sportsmansoutdoorsuperstore.com

そしてこちらは第二世代(Gen 2)のSUB-2000です。

第一世代とは、以下の点が異なります。

  • エジェクションポートが拡大され、ジャムのリスクが減少
  • ボルトの移動速度が向上し動作が機敏になった
  • グリップが短くなり、グロック19のマガジンにも対応。(使用マガジンの選択肢が広がった)
  • バットストックの形状が改良され、人間工学に即して扱いやすくなった
  • ストック下部にピカティニレイルが追加され、スリングマウントの装着も可能
  • ハンドガードの形状変更により保持しやすくなり、上下にピカティニレイルを追加(側面はM-LOK対応)
  • 表面処理を通常のブルーイングから強固なナイトライドに変更(ハードクロームバージョンも有り)
  • 折り畳み時の固定ロックがプッシュボタン式からスライド式に変更
  • フロントサイトが樹脂製から金属製のポストタイプ(AR-15タイプと類似)に変更
銃の画像
Photo via keltecweapons.com

上図はSUB-2000の内部構造を表しています。

トリガーガードを下に引っ張ると、銃身とレシーバーを接続するロックが解除されます。

これにより銃身を180度折って銃をコンパクトに折り畳むことができます。

接続はスプリングのテンションが掛かっているため、ロック後もガタツキの無い構造です。

銃の画像
Photo via sportsmansoutdoorsuperstore.com

操作方法は第一世代と第二世代はどちらも同じで、マガジンを挿入後にチャージングハンドルを引けば発射可能となります。

発射後はマガジンを抜き、チャージングハンドルを前後させて薬室が空なのを確認すれば、あとはトリガーガードを下に引いて銃身を折り畳むだけです。

構造上の注意点として、弾が薬室に装填されたまま折り畳むと、フィードランプやヒンジ部分に負荷が掛かり破損する恐れがあります。

フレームは繊維強化プラスチック(Zytel)ですが、金属のような強度はないので要注意です。

また、折り畳んだ状態で発射は不可能です。

銃の画像
Photo via keltecweapons.com

撃発は内蔵された回転式ハンマーによって行われます。

作動方式はストレートブローバック方式を採用しているため銃身が固定されており、命中精度の高い設計です。

有効射程距離は約150メートルですが、200メートル越を狙うことも不可能ではありません。

ただ、使用弾薬が9mm(115gr FMJ)の場合、弾道は200メートルで約60cmほど落下するため、人間大のターゲットでは頭部を狙って腹部に命中するイメージです。

SUB-2000はライフルとはいえ使用弾薬はピストル弾なので、100メートル以下の射撃を楽しむのが現実的です。

銃の画像
Photo via keltecweapons.com

上図はSUB-2000(Gen 1)の分解図です。

フレームやフォアエンドはモナカ構造で左右に分割されています。

通常分解は、ストック側面のロックピンを引き抜くとキャップ(バッファー)が後方に抜けます。

そしてチャージングハンドルを引いて、リコイルスプリング、ボルト、ボルトヘッド(上図青のパーツ)をストック後方から引き抜きます。

SUB-2000は第二世代の登場により、500ドル以下の低価格な銃としては比較的評価の高いカービンです。

折り畳むことで銃身内を簡単にチェック可能ということで、高いメンテナンス性も評価されています。

しかし一方で、トリガープルが10~11ポンド(約4.5~5kg)と重いのが難点と言えます。

一般的にシングルアクショントリガーは軽いのが通常で、グロックが約5ポンド、ベレッタ92FSは4.5ポンド(SA)といった様に、10ポンドを超えるシングルアクショントリガーは一般的ではありません。

とはいえ長距離を狙うライフルではないため、重いトリガーが実用上の問題かと問われれば、必ずしもそうとは言えないかもしれません。

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