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ヘビーバレル(ブルバレル)とは何か?:銃身の太さと重さの違い

銃の画像
Photo via eabco.net

AR15ライフルのヘビーバレル(ブルバレル)はどれぐらいの太さや重さがあるのでしょうか?

そもそもヘビーバレルとはどんなバレル(銃身)なのでしょうか?

今回はAR15を例にヘビーバレルについて解説します。

ヘビーバレル(ブルバレル)とは何か?

太く肉厚のバレルをヘビーバレル(ブルバレル)と呼びます。

スタンダードバレルとヘビーバレルの間にはSPR(スペシャル・パーパス・ライフル/特殊目的用ライフル)用バレルがあるなど、バレルには様々な太さが存在します。

肉厚なバレルには以下のメリットがあります。

  • 強度が高い:衝撃に強く外部からの衝撃に強い特徴があり、高い精度を保てます。
  • 熱に強い:バレルは金属のため熱によって膨張収縮します。特にライフルでは長距離を狙う際に熱が精度に大きく影響しますが、バレルが肉厚であれば加熱しにくいため、精度に影響が少ないというメリットがあります。また、フルオート火器の場合は、より多くの弾を連続発射できます。
  • 振動が少ない:弾がバレルを通過する際、バレルには振動が発生します。この振動が止まらないうちに次弾を発射すると精度に悪影響がありますが、肉厚バレルだと振動が発生しにくく精度への影響が少なくなります。
  • 重い:重いバレルは銃を安定させ、リコイルを軽減します。バレルが重いと重心が前へ移動しフロントヘビーとなるため、より安定した射撃が行えるようになります。

では、逆にデメリットは何かといえば、重さにあります。

射撃場のベンチレスト・シューティングであれば据え置きなので重くても問題ありませんが、軍で使用する場合は作戦時の移動など運用に支障があるため、大口径でない限り肉厚バレルは使用されることが少ないといえます。

重くなれば取り回しが悪くなるため、使用目的に合わせてバレルが選択されます。

ヘビーバレルの重さと大きさ

無数に存在するヘビーバレルの重量や直径を一概に表せませんが、AR系ではおおむねハンドガード内で直径0.85~1インチ(2.2~2.54cm)が多く、重量は(5.56mm口径で銃身長16インチだと)1kg前後が多いでしょう。

軽量バレルで最も細い部分が5.5~6.0インチに対し、同じ場所でブルバレルだと0.85~1インチといえばイメージしやすいでしょうか。

AR系バレルのほとんどは場所によって太さが異なるため、具体的にバレルの直径が何センチとは表せません。

ヘビーバレルやブルバレルに明確な定義はなく、ブルバレルは19世紀終わりにスプリングフィールド・アーモリーの技師でテストファイアを行っていたフリーマン・ブル(Freeman R. Bull)氏の名前から由来するもので、最も太いバレルのタイプに対して呼称されます。

Photo via rockriverarms
Photo via rockriverarms

AR-15用16インチバレルの重さ

以下、AR系16インチバレルの重さの比較です。

長距離射撃に16インチバレルは少し短いため、より長いバレルと比較するとブルバレルの種類は少ないといえます。

メーカー口径重量
(g)
備考
DANIEL DEFENSE5.56mm860 
DANIEL DEFENSE5.56mm710 
DANIEL DEFENSE 5.56mm 680 
 RED X ARMS  5.56mm 1150ステンレスHBAR
 RED X ARMS  5.56mm 1060ステンレスHBAR
SPIKES TACTICAL  5.56mm780 
DOUBLE STAR 5.56mm1360フルーテッド・ブルバレル
WMD GUNS 5.56mm890 
YANKEE HILL MACHINE 5.56mm850 
ANDERSON MANUFACTURING 5.56mm830 
WHITE OAK ARMAMENT 5.56mm950ヘビーマッチバレル
EVOLUTION.223 rem1170マッチバレル
DPMS.308 win1160ヘビーバレル
CRITERION BARRELS.223 Wylde910