自衛隊の小銃は他国より有効射程が短い?

faq_qとある議論BBSでこのような話をする人がいました。

私が以前ラジオで、現役自衛官の方がこんな話をなさっていたのを聞いたのですが。 (自衛隊の派遣問題)

「東ティモールに一辺 自衛隊を派遣してみればいい。それで死人が出れば政府もわかるんじゃないの。よく我々の間でも冗談で話してるよ。今の自衛隊の装備じゃあなんにもできないよ。今の自衛隊の装備する銃は1000M以内の命中率は最高ですが向こうは射程が2000M以上ですからね。勝負になりませんよ。軍事費大国といっても 我々が装備している銃なんて海外に比べりゃ おもちゃみたいなもんですよ。当然死ぬ人もいるでしょうなァ。」(無論 半ば逆説的に述べている)

私は戦車、航空機とかならともかく、小銃火器のことについては専門外で、特に小銃火器の射程のことについては余りよく知りません。

私はせいぜい有効射程距離は自動小銃で1kmくらい、狙撃銃で3,4kmくらいだと思っていました。

しかしながらやはりちゃんと知っておかなければならないと考え、質問したいと思いました。

果たしてこの自衛隊員の言っていることは正しいのでしょうか。

M16や89式、AK47など有名な銃を例にしていただけるとより嬉しいのですが。

faq_a実際に銃撃戦が始まった際の状況にもよりますが、ライフルの射程距離が1000mでも2000mでもそれは問題ではありませんし、何より小銃で1000mもの距離を撃ち合う状況はありえません。

銃や火砲の射程距離には、「最大射程距離(弾が飛ぶ距離)」、「有効射程距離(現実的に目標を殺傷できる距離)」がありますが、これらの距離は大きく違い、最大射程距離よりも有効射程距離が重要です。

自衛隊が正式採用している89式小銃を例に挙げると、最大射程距離は約3300m、有効射程距離は約300m以下となります。これは、世界各国の軍で採用されているアサルトライフル(M16A2、AUG、FNC、SG550、FA-MAS等)の弾薬、「5.56mm×45弾(SS109、M193)」のデーターと殆ど変わりません。実戦で射撃が開始される距離は概ね300m以内で、湾岸戦争など見通しの良い砂漠での戦闘となると200mの距離で撃ち合いますが、ベトナム戦争などジャングル戦では20mの距離で戦闘が行われる事もありました。目標との距離が1000mもある場合は小銃では力不足ですので、狙撃銃かそれ以上の火砲を使用する事になります。

東ティモールでは1975年にインドネシア軍が侵攻して以来住民との戦闘が多発していますが、他国の多くの紛争のようにゲリラ(民兵)は海外から多くの武器援助を受けておらず、所持する銃器は、AK47や、インドネシア軍も採用しているM16ライフル(ライセンス生産品)、そして手作りのライフルやショットガンなどが想像されます。AK47の有効射程距離も約500m以下ですし、M16も89式小銃と同一の弾薬を使用していますので、ゲリラに狙撃銃を使用されない限り、射程距離の問題で自衛隊が不利であるとは言えません。小銃弾に800m離れた目標を殺傷する能力はありますが、それはあくまで目標に命中した場合であって、現実的な射程距離ではありません。

因みに、一般的な7.62mm口径の狙撃銃の最大有効射程距離は約400m以下です。そしてこれが50口径の大口径狙撃ライフルでも、1500m以下の有効射程距離となっていますが、それ以上距離が離れていると命中させるのは極めて難しくなるでしょう。

戦闘になっても、弾を目標に命中させ、なおかつ殺傷しなくては意味がありませんから、この問題に関して「射程距離が違うから不利」という議論は的外れです。


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